デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【細かい事は】ホラーマニアvs 5人のシリアルキラー【気にしない】

1983年.ミネソタ。とある中華料理店。

ホラー雑誌「VICIOUS FANATICS(殺人鬼マニア)」の副編集補佐(使い走りとも言う)ジョエル(エヴァン・マーシュ)は色々あってべろんべろん。

あれこれ撒き散らして倉庫でばったり気絶爆睡。

目覚めれば客の姿はなく、奥の部屋から人の声。

覗いてみれば車座に座った5人の男女。あーこれはアル中とかの特定疾病者が己の悩みを打ち明け合う所謂「自助サークル」って奴だ。

しかし、ちょっと雰囲気が…。

そこは抑えきれぬ殺人衝動を抱えたシリアルキラーたちが、悩みと手法を語り合う特殊集会場でした。

「ホラーマニアvs 5人のシリアルキラー(2020年/コーディ・キャラハン監督)

『君はフィルだね。よく来てくれた。まぁ座って。参加に感謝する。さあ君の番だ。話を聞かせてくれ』


廻り全員シリアルキラー…これ絶体絶命じゃね? とりあえずお仲間らしいフィルって事にして、適当ぶっこいた与太話をしてみましたが…バレますねそうですね。

いかにもオタクでモテない(「ゾンビランド」のジェシー・アイゼンバーグをもっとリアルにした感じの)駄目男・ジョエルは、最初のうちは「こいつウゼー!」と思いますがだんだん癖になります。

ジャケ写とタイトルがちっとネタバレ。


会合に参加しているシリアルキラーは司会者・遅刻者含め6人。タイトルは「5人の~」なのでひとり余ります。

余ったひとりの正体は…。

音楽が如何にも80年代。特にテーマ曲は「ファンタズム」と「サンゲリア」を足して割った感じで耳に心地よい。

画の繋ぎとか結構いい加減(右目に刺さった注射針が次のカットでは左目に刺さっているとか)ですが、たいした問題じゃありません。


お約束は外さず、適度なゴアと適度な笑い。93分全力疾走。

狩りの前は音楽とダンスで景気づけ(右は「ウィリーズ・ワンダーランド」)。


細かい事気にしなければお薦めの1本です。

 

 

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★本日9月28日はジョン・セイルズ監督(1950~)の誕生日(おめでとうございます!)

脚本家としては「ピラニア」「アリゲーター」「ハウリング」がまず頭に浮かびますが、監督としては…。

これがまた一筋縄ではいかない人なんですねえ。

 

★本日のTV放送【13:40~テレビ東京午後のロードショー

 

追悼:澤田幸弘

澤田幸弘監督がお亡くなりになっていました。

9月21日。静岡市内の病院にて。老衰。89歳没。

日活ニューアクション路線の立役者にして70~80年代刑事ドラマを支えた方。

ご冥福をお祈りいたします。