怪我して移植手術受けたら心と身体に変調が。調べてみたらドナーがヤバくて大騒ぎ。
という何度も見たお話ではありますが、軽い捻りが飽きさせないスパイスになっています。
「ボディ・パーツ」(1991年/エリック・レッド監督)
犯罪心理学者のビル(ジェフ・フェイヒー)は自動車事故に巻き込まれて片腕切断(事故シーンはプチ「デッドコースター」な雰囲気でいい感じ)。
女医の勧めで適合ドナーの右腕を移植。以来、幻覚と暴力衝動に悩まされる事に。
調べてみたらドナーは死刑囚、それも半端無い殺人数を誇る掛け値なしのシリアル・キラー、チャーリー・フレッチャーでした。
この手のお話で移植されるのは角膜と相場が決まっております(「瞳の中の訪問者」「THE EYE」「ボディバックス/第3話・アイ」)が、ビルが移植されたのは腕。
面白いのはチャーリーの他の部位を移植された人間がいること。
チャーリーの左腕を移植された画家レモ(ブラッド・ドゥーリフ)は暗黒のイマジネーション(殺人の記憶)が次々湧いて売れっ子画家に。
両足を失くして3年間車椅子生活だったスポーツ青年はチャーリーの脚を得て再びバスケットができるようになり、満足げではありましたが…。
ここで疑問。ひょっとして脳とか心臓とか移植された奴もいるんじゃないの?
いました。頭移植されたチャーリー本体と言っていい奴が失った自身のパーツを“回収”する地獄のお礼参りを敢行。
脚本も演出も穴だらけ矛盾まみれご都合主義見本市ではあるのですが、勢いで飛ばしてくるのでそんなに気にはなりません。
ホラー映画の音楽です!という仰々しいタイトルバックがB級の誉れを上塗りしています。