狙い過ぎ。 サイレント・ウェイ
いい女が、深夜のコイン・ランドリーでエライ目に遭うという“ワン・シチュエーション・ホラー”…なのですが、少々(いやかなり)狙い過ぎ。
75分という尺をもたせるために様々な工夫が施してありますが、青息吐息。
倍速で観ても長く感じました。
「サイレント・ウェイ」(2012年/アントニオ・トラショラス監督)
黄金の七人×007のようなキッチュなOPにまずびっくり(しかも主役・アナ・デ・アルマスのダンスが微妙に下手)。
おっとこれは同じスペイン映画の「セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド」と同じ箱のお話かあ。マカレナ・ゴメスも良かったが、こっちのアナ・デ・アルマスもいい感じだぞお。
と喜んだのも束の間。このOPはダンサーを目指すロ-サ(アナ)が受けたオーディション風景で、キッチュな雰囲気はこの時限り。残念。
ローサのお仕事はホテルの客室清掃。しんどい肉体労働から解放され、家に着く直前に気づいた二本の携帯留守電。
1本は「最終選考に残ったから明日4時に来て」。
もう1本は「姉さんだけど洗濯機壊れちゃった」。
えぇ! 衣装1着しか持ってないのに洗濯できないの!? 最終選考に今日着た汗臭い服はマズイわよ。
確か、この細い路地(El Callejon/Blind Alley←原題/英題)を抜けた所にコイン・ランドリーが…。
と、ここまでがシチュエーション設定。さて、彼女が遭うエライ目とは?
デ・パルマ風なスプリット画面やら、アルジェント風な窓辺の女を見上げるカットとか、フィンチャー風な神経伝達接写とか、飽きさせないための映像的工夫は随所に凝らしているのですが、やはり少々退屈。
それなりに捻ってはいるものの、今、シリアル・キラー(じゃないんだけどさ)ものを真面目ぇに作られても、こちらの持久力がもちません。
「フロム・ダスク」を引き合いに出すのは100年早いぞ、アース・スター エンターテイメント。
※参考:「好い。セクシー・キラー レベンジ・オブ・ザ・デッド」→2012年10月22日