好い。 セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド
前半は「アメリカン・サイコ2」+「スクリーム」、後半は「死霊のしたたり」+「ブレインストーム」、全体の雰囲気は「アメリ」+「下妻物語」。
どう考えても破綻しているとしか思えない取り合わせですが、これが実に“いい感じ”。
ポップでキッチュなエロとグロ。スパニッシュ・ホラー・コメディの快作です。
「セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド」(2008年/ミゲル・マルティ監督)
女子医大生バーバラ(マカレナ・ゴメス)は殺人鬼。あまり深い考え無しに本能の趣くまま気に入らない奴らを連日血祭り。
死体の山を築きながら、殺しの美学についてカメラ目線で独白。
「バーバラ、誰と話しているんだ?」
「・・・カメラよ」(おお、ヌーベルバーグ!)
選ばれし者故、恋人が出来ないのが悩みの種でしたが、脳外科専攻学生トーマスの解剖話を殺人話と勘違い。
「この人も殺人鬼なんだわ!」(♪フォーリン・ラブ)
トーマスは死後間もない脳を麻薬で活性化させ、生前の記憶を映像として取り出す装置を開発。
これで殺されホヤホヤの死体があれば・・とタイミング良く担ぎ込まれた死体は何と事件捜査中の警部。
映像取り出しは失敗したものの副作用で蘇生!
「警部さん、犯人は?」
「ボコボコにされて何も覚えていないわ! それより俺に何をした?! 残りの死体も同じように蘇生させろ!」
「えええ?!」
かくして蘇えった“キャンパス・キラー被害者の会”ご一行は、被害者を弔う仮装パーティ会場へ。
マカレナ・ゴメスは、ラブクラフト原作/スチュアート・ゴードン監督の「DAGON」(2001年)でタコ娘演ってた人。
あの時は直球ど真ん中のエキゾチック美少女でしたが、7年経って少々劣・・いや、何でもありません。綺麗です。
ベタなホラー・パロディも散りばめてお馬鹿満開。駄目な人は鼻も引っ掛けないでしょうが、私は大満足でした。
※参考:「イア!イア!クトゥルフ、フタグン! DAGON」→2010年9月10日