デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【80年代同期会】リバース・オブ・ブリッツ【ゲストはまさかのボグダノビッチ?】

バーバラ・クランプトン(58年生まれ。85年に「死霊のしたたり」)、マイケル・パレ(58年生まれ。84年に「ストリート・オブ・ファイヤー」)、レイ・ドーン・チョン(61年生まれ。85年に「コマンドー」)。

ほぼ同年代(レイ・ドーン・チョンは早生まれなので、日本の学年計算ではふたつしか違わない)。ほぼ同時期に代表作が公開された「同期生」が一堂に。

「リバース・オブ・ブリッツ」(2019年/ジュリアン・レチャーズ監督)

原題は「REBORN」なので邦題のスペルは不明ですが「REBIRTH OF BLITZ」だとしたら「電撃再生」ってな感じでしようか。

レナ・オニール(バーバラ・クランプトン)はベテラン女優ですが、最近は仕事もなくスランプ&メンヘラ気味。

原因は16年前の死産。間違いなく死産だったのですが…。

16年前、病院に落ちた雷が死体安置所に伝わり、持ち込まれていた赤ん坊を直撃&蘇生。

この時、死体安置所には死体愛好家(解剖の傷跡に萌える特殊性癖の持ち主)・ケンが。

かなりレアな変態さんです。


蘇生した赤ん坊はそのままケンが連れ去り16年。成長した娘・テス(ケリー・ギルバート)は電気を操作できる特殊能力を身につけておりました。

16歳の誕生日、辛抱堪らんと襲い掛かって来たケンをぶち転がした(ぶち焦がした?)テスは僅かな情報を頼りに母親探しの旅へ。

予告編で踊っていた雑誌評見出しは “CARRIE” MEETS “FIRESTARTER

悪いのはテスの蘇生を隠匿して勝手に連れ去ったケンなのですが、テスは思い込みと勘違いで関係者を次々血祭。

出産の担当医から母の名前を聞き出すとエレベーターでフリーフォール。

レナへの接近を邪魔するレナのエージェント、ドリー(レイ・ドーン・チョン)を無人カーでマッシュ。

レナの周囲で続発する不審死の担当刑事マークにマイケル・パレ

低予算地味展開ではありますが、役者が揃っているので(76分というサイズ感もありますが)見入ってしまいます。

テスの電気操作能力はまんま御坂美琴。できればコイン弾いてレールガンをぶちかまして欲しかったですが、それは予算が許さなかったようで(そもそも制作側が「とある」とか知らないでしょうし)。

お金の掛かっていなさそうな電撃殺人。


レナは自宅で演技スクールを開いているのですが、壁には「死霊のしたたり」「フロム・ビヨンド」などバーバラ・クランプトン主演作のポスターが。

一番目立つところにバーバラと関係ない「クライング・フリーマン」のポスター。なんで?と思ったら、レイ・ドーン・チョンが出演しておりました。


なかなか仕事にありつけないレナの起死回生作が「ボグダノビッチの新作」。この仕事さえ獲れれば…。

という訳で劇中何度も「ボグダノビッチとの台本読み合わせ」というセリフが出てきます。

B級ホラーにボグダノビッチとは大きく出たな、と思ったら最後の最後に…。


ノンクレジットではありますが、IMDbのCast一覧にはきっちり載っているので間違いなく本人。

ボグダノビッチが亡くなったのは2022年1月。結構レアな映像なのではないでしようか。

 

バーバラ・クランプトンと言えば…

マイケル・パレと言えば、

★レイ・ドーン・チョンと言えば…

★そしてピーター・ボグダノビッチと言えば…

 

 

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★本日8月16日はベラ・ルゴシ(1882~1956)の命日。

その生きざまを振り返りつつ…。