デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

臨死の土産は心の闇。 フラットライナーズ

イメージ 1『今日は死に日和だ』

死後の世界は本当にあるのか? 臨死体験に取り憑かれた医学生たちの危険な実験。

生還の手土産は“心の闇”でした。

 

フラットライナーズ

(1990年/ジョエル・シュマッカー監督)


本作を語る時に必ずついて回る枕言葉ですが、出演者が凄い。

臨死実験言い出しっぺにキーファー・サザーランド、女性依存症の撮影マニアにウィリアム・ボールドウィン、天才肌な自己チュー男にケヴィン・ベーコン、サポート役にオリバー・プラッド、そして幼少期のトラウマを抱える紅一点、ジュリア・ロバーツ

脳波形フラットな状態で彼らが見たものは?

動きの少ない地味な題材ですが、撮影の良さ(ヤン・デ・ポン)と面子の豪華さでグイグイ魅せます。

封じ込めていた(あるいは綺麗さっぱり忘れていた)はずの体験、心の闇が幻覚として、実体として現実を侵食し始め・・。

死後の世界はあるのか、という事よりも、個々人が抱える精神外傷を如何に克服していくか、がドラマのキモになっている所に好感が持てます。

この臨死体験の後遺症でしょうか、ウィリアムはサイコキラー(フェティッシュ)に、ケヴィンは透明嫉妬キラー(インヴィジブル)になり、キーファーは24時間戦い続けないと死んでしまう男になってしまいました。

唯一、臨死体験をしなかったオリバーだけは、科学者として飛行機を救い(エグゼクティブ・デシジョン)、人類を救う(2012)大活躍をしています。

やっている事は全然違いますが、「アルタード・ステーツ」「ブレインストーム」と同じ箱に入る“神の領域侵犯系科学と学習”シリーズです。

※参考:「銃砲刀剣類版わらしべ長者? フォーリング・ダウン
      →2008年9月8日
    「サイズの選択、間違ってないかい? ブレインストーム」
      →2009年5月31日