デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

たまにはビジネス系(?)記事を。米国視察の思ひ出②「無修正の罠とアミーゴの謀略」

f:id:zombieito:20190930143028j:plain

 

Act1:雑貨売り場にGUNコーナー


「映画は銃と美女だ」とは映画の父グリフィスの言葉ですが、海外研修だって銃と美女で構成されています。

Kマートの雑貨売り場。当たり前のようにあるGUNコーナー。

鈍く光るガバメント、マグナム、パイソン、ベレッタ、チースペ、デリンジャー・・・。


楽器屋のウィンドウに鼻こすりつけてトランペットを羨望する黒人少年の気持ちが今の私には分かります。

黒人少年と大きく異なる点は買う金はある、ということですが、買うわけにはいきません。持ち帰るわけには尚いきません。

『うあぁ、撃ちてぇ・・・』


猛る衝動を抑えて真言を唱え平常心を…。

『研修、研修、研修、拳銃、拳銃・・あれ?』

f:id:zombieito:20190930143246j:plain

これは現在のウォルマートの銃売り場。もう日曜大工感覚で売ってますね。

 

Act2:無修正の罠


ロスから移ってサンフランシスコへ。

銃が駄目なら女。しかし、飾り窓に突進するほどの根性は誰一人持ち合わせておりません(そうさ、俺達はヘタレ日本人軍団さ)。

『伊藤さん、エロ本屋連れてって』


へいへい。これも事務局の大事な仕事。場所は事前に仕込んでございます。

『ビデオはここね。日本語通じるよ。買うと観光ビデオのパッケージに入れ換えてシュリンクし直してくれるから。本屋はこっち』


半地下潜った所に有る狭くて暗い「いい感じ」のお店に入る。

居座る事1時間。

『まだかよ。いい加減に決めろよ』

『あ、もうちょっと』


各自3冊前後の怪しげなビニ本を買ってホテルへ(結局私も買った。つ、つきあいですよ、つきあい)。

各自部屋にて休憩の後、ロビーに集合。レストランに移動して夕食です。

ところが、集まったエロ本組の表情が暗い


理由は分かっています。大枚はたいて買った本がことごとく「ハズレ」だったのです。

私? 勿論外れ。

ただ私は一般庶民とは一味違います。ハズレというだけで諦めたりはしません。

本が雑誌形式の「中綴じ」であるのをいいことに、(丁寧にホチキスを外して)全ての本を解体、使えそうな(何に?)頁だけを選り抜いて再製本、MYエロ本を作ってしまいました。

換骨奪胎です(虚しすぎる自画自賛)。

 

緊急クエスト1:夜の街をうろついて酒屋に辿りつけ


さて、夕食が終わってからもハズレ組はショックから立ち直れず鬱々としています。

ヤケ酒を飲もうにも冷蔵庫はカラッポ。

『あ、そう言えば昼間、酒屋見たな』

『買いに行くか、酒。外真っ暗だけど。大丈夫かな』

『大丈夫でしょ。行こ行こ』

…大丈夫なわけないじゃない。

 

記憶を頼りに夜のシスコへ。

街灯はほとんど消え、通行人ゼロ。人影と言えばストリートに座り込んでいるブラザーだけ。

闇の中から芸能人の歯のように白く光る眼が黄色い猿を眺めています。

『なあ、俺達、すっごいマズイ事してないか?』

『大丈夫だよ。酒屋行くだけなんだから。ほら、ここだよ、ここ。この角を曲がると酒屋が・・・』

閉まっていた。

『・・・帰るか』


来た道をゆっくりと…走り出したら、ブラザー全員が追いかけてきそうで。

『ここでNigger!って叫んだらどうなるかな』

『明日の朝飯を自分の歯と口で喰いたかったら黙って歩け』

f:id:zombieito:20190930143816j:plain

※写真は「ケンタッキー・フライド・ムービー」より「危険を求める男(DANGER SEEKERS)」(白人の男が一人スラム街に乗り込み、黒人達と談笑。打ち解けた所で“Nigger!”と叫んでダッシュで逃げる)。

 

緊急クエスト2:ルームサービスでアミーゴからビールをゲットしろ


『ああ怖かった。でもどうするよ、酒』

『あ、ルームサービスで酒頼めばいいじゃん。フロントに電話して日本語プリーズって言えば日本語分かるスタッフに替わってくれるって説明書に書いてあるぞ』


素晴らしい。もはや日本語は国際公用語なのか。

部屋の主である四国のO氏が代表で受話器をとった。

『あーもしもし。日本語ぷりーず』

『(May I help you?)』

『に・ほ・ん・ご、プリーズ』

『(Pardon?)』

『なんだよ、ええと、ルームサービスを』

『(Oh room service.OK・・[転送]・・May I help you?.)』

『嗚呼!だからビールを。いや、そうじゃなくて』


格闘2分。通じたのか?

約10分後、ノックの音と共にビールを持ったアミーゴがやってきた。

『おお、酒だ!』

『やればできるじゃないか!よし、飲もう!』


ルームサービスひとつで天下とったような大騒ぎ。

『で、このビール銘柄なに? やけに軽いけど』

『本当だ。軽いね。なんとかライトって奴かな』

『ぐあ!Non Alcohol Beerって書いてあるぞ!』


国際交流失敗。Internationalの道は遠かった。

『糞!馬鹿にしやがって!』

エロ本はハズす。酒は来ない。下痢腹に浣腸です。

どうしてくれようかと思ったその時、電話のベルが。

『はい、もしもし。は?あ、はい。どうも。いえいえこちらこそ。はい。じゃ失礼します』

『誰?』

『フロント』

『今全部日本語で喋ってなかった?』

『いやあ、どう言っていいか分からなくて』

『なんの用だったの?』

『ええと、You are too loudだって・・・』

『・・・寝るか』


枕元にハズしたエロ本とノンアルコールビールを並べて男達は眠りについたのでした。

(一旦幕。つづきはそのうち)

 

f:id:zombieito:20190907063904g:plainランキング投票です。よろしければワンポチを。
---------------------------------------------------------------------------------------
★本日10月5日は「世界教師デー」(なんじゃそりゃ)

国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が制定したんだそうです。

教師と言えば学園ドラマ。学園ドラマと言えば… 

mandarabatake.hatenablog.com