デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【リアルマリオカート!】Z Bull ゼット・ブル【良い子は真似しちゃ駄目】

マリオカートしようぜ』

モニター画面には「VCマリオカート64。ゲームをするのかと思いきや、

『外へ出ろ』

え、何で?

勿論、マリオカートをやるために。

コスプレしてスーパーのカートに乗って裏路地大疾走。

『押せ!ルイージ!』


いい年こいた大人(5人で一部屋ルームシェア。多分主人公以外全員無職)が昼間からビールとカートで「ヒャッハー!」

『最高の火曜日だ!』

『今日は月曜日だ!』

お前ら(特にさま~ず三村によく似たリーダー)最高かよ。

「Z Bull ゼット・ブル」(2008年/リン・オーディング監督)

ここはテキサス、ラボック郡。南北戦争時代の警察組織「テキサスレンジャーズ」の一員で南部同盟の大佐だったトーマス・S・ラボックが名前の由来。

中核企業はアモテック武器製造社。


CEOフランクリン・ガントによれば、同社は100年に渡ってアメリカの安全を保障して来ました。

新型マシンガンを開発し、クレイモア地雷を量産し、ドイツ軍にアメリカの娯楽(バーベキュー)を教える(=火炎放射器を開発する)事によって。


世界をリードする防衛兵器の革新者、アモテック。ここの経理部に所属しているデズモンド(ブレントン・スウェイツ)は今日も遅刻のスチャラカ社員。

アモテックには合併話が持ち上がっており、社員、特に事務屋はリストラ旋風真っただ中。

明日までにレポート(何の?)を仕上げないと首切り候補2階級特進。

社内では戦場戦士の闘争本能を刺激する新商品エナジードリンク「ZOLT」の発表・試飲で大騒ぎ。


とてもレポート書ける雰囲気じゃないと自宅に戻ったら、待っていたのがマリオカート

ビール飲んでヒャッハーで爆睡。意識飛ばして書いたレポートはエラーまみれ。誤字誤使用の見本市。

それでも何とか体裁整えて出社したら、社内の様子が何か変。

元気通り越した殺気が漲り、各部署で小競り合い…どころか殺し合い。


どうやらZOLTは「些細な事がきっかけでガチギレする殺戮本能呼び覚ましドリンク」だったようです(要するに失敗作)。

まともなのは早々に会社をバックレたデズモンドと、経理の同僚でラマダン中だったインド人のムラト(カラン・ソーニ)、そして前日解雇されて手続きに来ていたレントワース(カート・フラー)くらい。

幼馴染で人事部のサマンサ(ジェーン・リヴィ)は少量(1/2缶)飲んでしまい、やたらとキレやすい女にキャラ変(面倒なのでカートに縛り付けて移動)。


どの部署も日頃の鬱憤と他部署に対する敵意が爆発してボーダレスなハイテンションバトルロワイアルに発展しているのが「会社あるある(いや、ねぇよ)」でいい感じ(笑)。

どの通路もフロアもエライこっちゃになっているので、窓を割ろうとしたら緊急防護壁が起動。ビル全体がロケット弾も通さない難攻不落の要塞に。


入口もないが出口も無い。防護壁解除のコードを知っているのは最上階の経営陣だけ。

もう血路は自分で切り拓くしかない。幸いここは武器メーカー。銃も地雷も爆薬も売るほどある(敵は極地戦闘用ロボットで対抗)。


ただ、扱いに精通していないのはメーカー社員としてどうかと思います(C-4には雷管挿せよ。素人目にも「おいおい」だったぞ)。

ZOLTとレッドブルを掛けた邦題のセンスはいささか微妙ですが、考え落ちとしてはまあまあでしょうか。

勿論、原題はそんなタイトルではなく「OFFICE UPRISING」でした(「職場蜂起」って感じ?)。

 

★主役のデズモンドくん(ブレントン・スウェイツ)は、こんなのに出ていました。

★そしてサマンサさん(ジェーン・リヴィ)の代表作はこちら。

 

 

 

 

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