デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ピンク・フロイド?キング・クリムゾン? ドラゴン危機一発

イメージ 1

久しぶりにケーブルで観たらBGMがごっそり差し替えられていてびっくり仰天。

ドラゴン危機一発(1971年/ロー・ウェイ監督)

TAM盤サントラ聴きなれた者としては、当然オープニングは“ドドドドドン”という景気の良いティンパニに乗って「鋼鉄の男」が鳴り響くのを期待するわけですが、何か地味ぃな音楽がたらたらっと流れて「へ?」

更に驚いたのは、要所要所に流れるピンク・フロイド「タイム」。そしてキング・クリムゾン「太陽と戦慄」・・・何が起こっているんだ?!(笑)

どこからサンプリングしてきたのか、本来無いはずの怪鳥音が唸りまくり。

かと思えば、リーが母のペンダント(喧嘩はしないという約束の品)を出す度に、風呂で屁をこいたようなすっとぼけたオルゴール音が流れて緊迫感殺ぎまくり。

内容も改めて見ると陰惨だなぁ(笑)。

舞台はタイの製氷工場。ここの秘密(麻薬の配送アジト)を知った作業員が次々失踪。当然、殺されているわけですが、ナイフ刺す刺す、斧飛ばす飛ばす。最期は製氷用丸ノコで解体して氷詰め。

対決シーンもほとんどナイフ。殴る蹴る刺す抉るが基本パターン。

カットされたシーンの中には、氷用ノコギリで脳天唐竹割りというスゲー描写もあったようで、アクションというよりほとんどスプラッター

リーに対する誤解が解けぬまま、仲間皆殺しというのも後味悪しで「カタルシスって何?」

唯一、工場の壁を人型に突き抜ける「あの」迷シーンだけが一服の清涼剤です。

余談ですが、危機一発の英題はご存知「The Big Boss」。ところが米題は「Fists Of Fury」。

え? じゃ「ドラゴン怒りの鉄拳」の米題は?・・答えは「Chinese Connection」。ややこしい真似すな!

※参考:「ドラゴン怒りの鉄拳」→2008年1月17日
    「死亡的遊戯」→2009年3月8日
    「ブルース・リー/死亡の塔」→2009年8月1日