デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

アーメン。 ゴジラvsビオランテ

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昨日の「メカゴジラの逆襲」を最後に冬眠9年。満を持して復活した1984年版「ゴジラ」は劇場で2回観て2回爆睡

監督の橋本幸治は同じ年に「さよならジュピター」を世に送るというハットトリック一歩手前の偉業(?)を成し遂げております(以後監督自主廃業)。

結果、更に寝かせること5年。平成ゴジラシリーズはここから始まりました。

 

ゴジラvsビオランテ

(1989年/大森一樹監督)


本作でお得なのは、前作で「おいおい、いつ何を想定してそんなもん作ったんだよ?」な自衛隊新兵器スーパーXが与件になっている事。

スペルゲン反射鏡を思わせる開口部でゴジラの熱線を100倍返しという“あり得ない”設定もすんなり納得。

そして何と言っても、伊福部サウンンドの部分復活。

子供たちが夢に見た光景(ゴジラ)の画を一斉に掲げた瞬間に、あのテーマが鳴り響いた時ゃ絨毯爆撃のような鳥肌が立ちました。

役者も豪華。

自衛隊の若きキャリア・エリート、高島政伸、凛々しいオペレーター、鈴木京香、化学者とは思えないジプシー刑事な活躍をする三田村邦彦なども良いですが、本作の主役はやはり自衛隊陸幕調査部一佐・権藤を演じた峰岸徹でしょう。

捻ていながら純にして粋。三原山に仕掛けられた爆薬(←ゴジラ覚醒のトリガー)の時限装置解除が間に合わないと分かった時の一言「アーメン」は名台詞。

最期は至近距離から振り向きざまに抗核バクテリア・ランチャーを発射、見事ゴジラの口内に命中させるという離れ業まで披露。

沢口靖子田中好子の扱いは中途半端。“超能力少女”というレギュラー・キャラを作ってしまったのも残念ではありますが、総じて好印象の復活作でした。

「勝った方が人類最大の敵になる」は、名コピーだと思います。