![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zombieito/20190828/20190828084822.jpg)
『アメリカはゴジラをどう見ている? 殲滅対象か? 捕獲対象か?』
『それは大統領が決めるわ。あなたの国は誰が決めるの?』
「進撃の巨人」でさんざっぱら貶した後で大変言い難いのですが、これはアリです。
第1作を別格とすれば、間違いなくシリーズ最高の出来でしょう。
一応、監督・特技監督として樋口慎嗣のクレジットがありますが、これは紛れも無く庵野映画、庵野ゴジラです。
脚本のみならず編集、音響設計、コンテ、予告、チラシに至るまで。恐らく全てが庵野のアンダー・コントロールにあったのでしょう。
間違っても“その場のノリで”樋口が脚本を改竄できる余地など微塵もなかったのではないでしょうか。
本作、近年のゴジラ映画がお約束として守っていた“2作目以降をなかった事にして1作目と地続き”というオリジナル依存の法則を採っていません。
現代の(いや、3.11以後の)日本に未知の巨大生物が出現したらこの国はどう対処するのか、その徹底したシミュレーションとなっています。
![イメージ 2](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zombieito/20190828/20190828084826.jpg)
ヒーロー不在、人も時間も物資も法律も圧倒的に足りない状況でアメリカを始めとした諸外国の干渉に晒されながら“10年後にもこの国を残すため”智慧と体力を振り絞る官僚、閣僚、学者、そして自衛隊。
主人公面した市井の小市民など出て来ません。
人知など歯牙にもかけない未知の巨大生物。従来のイメージを払拭する4段階進化。
![イメージ 3](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zombieito/20190828/20190828084832.jpg)
新橋で景気良くメートル上げているサラリーマンの吐瀉物の如く核燃料をまき散らしたと思ったら、そのまま炎にシフトして着火、地表一帯を文字通り火の海にして返す刀でレーザービーム放出、日本刀が竹林を斬り裂くようにビル群を薙ぎ倒す様はこの世の終わりのカタルシス。
更に凄いのが交互に押し寄せる伊福部サウンドと鷺巣サウンドの鬼コラボ。
ここ一番でかかる「フリゲート艦隊マーチ」はテンションアゲアゲ。お馴染みのエヴァ「DECISIVE BATTLE」(ティンパニのドーン、ドーン、ドーン、ドーン、ドンドンって奴ね)が側面支援。
基本骨子はヤシマ作戦(「決戦、第3新東京市」)の焼き直しかもしれませんが、圧倒的映像とテンポの前では枝葉末節です。
細かいストーリー等はソフトが発売された頃にまた。