外星人の男が二人、居酒屋のカウンターで日本酒を。
酒の肴はこの星の、地球の行く末。
その在り様を決めるのは外星人か、内星人か。
話し合いの結果は…
『大将、お愛想。…割り勘でいいかな?』
円紙幣まで持っているとは。用意がいいなメフィラス(いや実際に支払をするカットはないので、現金で払ったのかカードで払ったのかは分からないのですが…。こういう大事なシーンをなおざりにしてしまうのがこの監督の以下略)。
観てきました。IMAXで。
不安材料は山ほどありましたが、お見事!としか言いようのない仕上がりでした。
本作成功のポイントは1にも2にも樋口監督に勝手な真似をさせない事。
「日本沈没」「進撃の巨人」の二の舞だけは避けなければなりません。
庵野さんの介入が脚本のみで演出が樋口任せになるのが一番の不安材料でしたが、杞憂でした。
脚本・編集・選曲はじめ、撮影やモーションアクションアクターまでこなしており(なんせ庵野さんは「帰ってきたウルトラマン」本人ですからね)、きっちり「総監修」として全体をコントロール下に置いていたようです。
監督補には摩砂雪を配して「樋口包囲網」は完璧(笑)。
公開中故、ネタバレは極力避けつつ、気になっていた所を。
まずはオープニングタイトルをどうするのか。
オリジナルはカラーになった「ウルトラQ」ロゴがカチっと収まった所で爆弾ワイプ、「ウルトラマン」のタイトルが現れて「ウルトラQ」と「ウルトラマン」が同じ世界線上に存在する事が明示されておりました。
今回もこのパターンを踏襲(サウンドロゴも一緒)していますが、最初に現れるロゴは「ウルトラQ」ではなく…。
しかし、その後に流れたのは正に「ウルトラQ」のあの曲。
この世界は既に、ゴメスを倒し、ビルを貫く花が咲き、東京氷河期に見舞われ、鳥を見ているようです。
ここから全編景気よく宮内國郎サウンドが爆音再生。
ゴジラに伊福部サウンドが不可欠だったように、ウルトラマンには宮内サウンドが必須。
この景気の良いアッパーな音楽は「辛気臭ぇ話にはしねえぜ」という約束手形。
予告編で登場したザラブ星人。ザラブと言えば「にせウルトラマン」ですが果たして…。
同じく予告で名刺持参で登場したメフィラス。メフィラスと言えば「巨大フジ隊員」ですが誰か(該当者ひとりしかおりませんが)巨大化するのか?
長澤まさみは実にいい味を出しておりました。
そしてお話をどう締める? ゾフィーは来るのか? オリジナルでは命をふたつ持って来てくれたゾフィーですが、今回の手土産は何だ?
『…ゼットンか?』
『そう、ゼットンだ』
全編に渡って微に入り細を穿つ気配りネタが炸裂(実相寺アングルは無理やり感満開でしたが)。ツボ突かれまくり。
逆に言えば、オリジナルに思い入れがない人には刺さる所が無いとも言えるのですが…。
もし、本作のタイトルが未定で「あなたならどんなタイトルをつける?」と聞かれたら、多分こう答えるでしょう。
「シン・ウルトラマン」と。
★ご参考
★本家からも1本
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