『じゃあ、もしそうなってしまったら二人で休みましょうか、修学旅行』
言えそで言えないその台詞。
多分、本当に休む。躊躇なく。
身体の張り方は色々。だから好かれる只野くん。
「古見さんはコミュ症です。/第19話」(2022年5月18日深夜テレビ東京放送/香月麻衣子演出)
◆コミュ64「誤解です。」コミュ65「幻覚です」
風邪で倒れた只野くんを見舞った古見さん。寝入る只野君の手を握ったところを闖入したなじみに観られてしまった…と思い込んだ古見さんのひとり悶々博覧会。
お見舞いネタを引っ張るとは思わなかったのでちょっと得した気分です。
◆コミュ66「ナルシストです。」
新キャラ登場、成瀬くん。成瀬詩守斗(なるせしすと)という名前の通りのナルシスト。
ラブコメで途中参戦の男キャラ(しかも完全独りよがり系)は反感を買いやすいものですが、彼の場合はメタな立ち位置から言動に注釈を加える米谷忠釈(こめたに ちゅうしゃく)とセットにすることでこれを回避。
成瀬が声に出した台詞は勿論、心中のつぶやきにまで注釈を加える異能の人。
加えて、古見さんに近づこうとする成瀬を全クラスメイトが総力戦で妨害することで完全に三枚目に。
その阿吽の呼吸は正に魂の連携。
多くの場合は行く手を阻む物理攻撃ですが、ただ独り「精神攻撃」を仕掛けたのが山井さん。
『なに古見さんに話しかけようとしてるの下心丸出しなの分かるのよナル男くん、って言うかあなた全然かっこ良くないから自意識過剰すぎ病院で診てもらった方がいいわよ(中略)まずその整髪料でベタベタの髪から洗って出直そうねハゲハゲハゲハゲハゲ』
全力で心を折りに来た山井さん。鬼です。
古見さんとアドレス交換しそこなった成瀬くんは照れ隠しで只野くんとお友達に。
さらっと『こんな人だけど悪い奴じゃないから』と米谷に言わせることで、視聴者に受け入れやすくする気配りまで。
片居君と言い、何気に男にも好かれる只野くんでした。
◆コミュ67「修学旅行の班決めです。」
明日は京都修学旅行の班決め。無駄にテンション爆上がりのなじみと対照的に古見さんは元気なし。心ここにあらず。
気遣う只野くんに「だいじょうぶです。元気です」と応えはしましたが、勿論嘘。
帰路で別れた直後に電話。心情を吐露。
中学の修学旅行(京都!)の班決めでひとり余ってしまった古見さん。空き班に押し込まれたものの、班のみんなの顔を見る事もできず、当日は欠席。
だから京都に行ったことはない。また独りになってしまうかもと思うと怖くてたまらない。
今は友達がいるじゃないですか、という只野くんですが、皆には(自分より)もっと仲の良い友達がきっと…。
『じゃあ、もしそうなってしまったら二人で休みましょうか、修学旅行』
それは駄目です。だって只野さんは修学旅行楽しみに…
『それなら、二人で行きましょうか、京都』
ほぼ告白…。天然フラグ立て師只野。
そして翌日。女子全員が古見さんに殺到(班は男女別)。
この事態を予測した担任はあらかじめ「くじ」を作って来ておりました。
古見さんをゲットする女子は誰だ。そして、なじみは男班なのか、女班なのか。
次回、修学旅行編!
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★本日5月20日は降旗康男監督(1934~2019)の命日。
本日は演出したTVドラマからこの2作品を。