デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

去勢されたDVDがBlu-rayで男に。ファイト・クラブ

イメージ 1

You are not your job.
You are not how much money you have in the bank.
You are not the car you drive.
You are not the contents of your wallet.
You are not your fucking khakis.
You are the all-singing, all dancing crap of the world

 お前の仕事はお前じゃない。
 銀行残高もお前じゃない。
 乗ってる車もお前じゃない。
 財布の中身もそのくそったれなカーキ・ファッションもお前と関係ない。
 お前はただ歌って踊る、この世のクソだ。

タイラー・ダーデン先生、渾身の辻説法。これを“あの人”が訳すと、

職業が何だ。財布の中身が何の評価に。車も関係ない。人は財布の中身でもファッションでもない。お前らはこの世のクズだ

というビタ一文、心の襞に引っかからないつまらない日本語に。

世間に押し付けられた価値観に縛られている人間を糾弾している台詞なのに、人は~という一般論にすり替えてるから、最後のお前らは~が浮いちゃってます。

ホント、この婆さんは満遍なく手を抜くなぁ…。

ファイト・クラブBlu-ray]」

(1999年/デヴィッド・フィンチャー監督)


DVDではボカされ、去勢されていたあのカットが、Blu-rayでは無修正完全収録。

真の漢の映画となりました(いや、そんな大仰なものでもないか…)。

最後の最後にこの一コマが入る事によって、この映画自体、ダーデンにおちょくられているんじゃないかと思えてきます(劇場で気づいたら、映写室振り返っちゃうでしょうね)。

お話に関しては2008年1月16日のレビューを参照して・・って読み返したらここでもストーリーに触れてない!

ジャケットに印刷されている惹句が結構気に入っているので、そちらを引用します(手抜きじゃないぞ!)。

 ぼくはもう何年も不眠症だ。ただ無意味に働き続ける。
 そしてぼくはタイラーと出会った。
 ぼくはなぜ石鹸を作ることになったのか。
 なぜあんな事件を引き起こしたのか。

 ぼくらに残された時間はあと3分。
 タイラーがぼくの口に銃口を突っ込んでいるからだ。
 ぼくらはなぜ「ファイト・クラブ」にいたのか。
 なぜルールは実行されたのか。

 ぼくはすべてを記憶している。タイラー、きみを伝説にしてやるよ。
 残り2分30秒。

前口上としては100点満点だと思います(ファイト・クラブ、ルールその1を破ってしまった!)。

★ご参考