本日8月12日は「アルプスの少女ハイジの日」。
ハイジの著作権などの管理を手がける株式会社サンクリエートが2010年(平成22年)に制定しました。
ハイジの魅力を多くの人に伝えるために記念日なんだそうです。
では伝えようじゃないですか。タイミングばっちりで現在ハイジの魅力を過剰に伝える映画が公開中です。
「マッド・ハイジ」(2022年/ヨハネス・ハートマン&サンドロ・クロプシュタイン監督)
日本でハイジと言えば、高畑勲(総合演出)&宮崎駿(画面構成)によるズイヨー映像製作のアニメですが、世界的にはスイスの作家ヨハンナ・シュピリによる児童文学です。
ハイジと言えばチーズ。
チーズ製造会社のワンマン社長にしてスイス大統領でもある強欲なマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定。スイス全土を掌握し、恐怖の独裁者として君臨しておりました(いきなり設定がデストピア)。
拷問にもチーズ。人間チーズフォンデュ。
年頃のハイジは恋人のペーター(黒人です)やおじいさんと一緒に山で暮らしていましたが、事もあろうにペーターがご禁制のヤギのチーズを闇で売りさばいたため、ハイジの眼前で処刑されてしまいます(スプラッターです)。
上が国内版予告。下がオリジナル予告。
おじいさん(見た目スネークです)はマイリの手下に山小屋ごと包囲されて爆死。
矯正施設に入れられたハイジですが、そこで知り合ったクララと心を通わせながら、復讐の炎を燃やす血塗られた戦士に…
…という見事なエクスプロイテーション映画(18禁)です。
良いのか、そんな事して!?と思いますが、スイスでは1976年に著作権の保護期間が終了し、既にパブリックドメイン化しているから無問題なんだそうです(一足先に公開された「プー あくまのくまさん」に続くやり逃げ企画ですね)。
ハイジ役のアリス・ルーシーは本作が長編デビューとなりますが、テコンドーの黒帯を持つイギリス系カタルーニャ人で身体能力は抜群のようです。
どこからどう見てもハイジですね。
独裁者マイリ大統領役は「スターシップ・トゥルーパーズ」ジョニー・リコのキャスパー・ヴァン・ディーン。
この人、お父さんの仕事(アメリカ海軍中佐)の関係で沖縄にいた時に「仮面ライダー」の大ファンになり、「スターシップトゥルーパーズ」のキャンペーンで来日した際のリクエストが「藤岡弘、に逢いたい!」だったそうで。
で、念願叶ってご対面。ご対面の前か後か分かりませんが、記者会見時には「ライダーキック!」も披露したそうです。やっぱいい奴だ。
でも「マッド・ハイジ」の中では極悪非道の独裁者。
果たしてハイジは復讐を遂げる事ができるのか!?
一刀両断!
本作既に上映終了している劇場も多いですが、新宿武蔵野館(ぼかし修正入りR15版)、池袋シネマ・ロサあたりでは絶賛続映中(埼玉スカラ座、茨城あまや座、栃木小山シネマロブレはこれから公開)。
連休中に血とチーズに塗れたい方はどうぞ。
因みにアニメ版「アルプスの少女ハイジ」の楽曲を使おうとした所、使用を権利元から拒否されるという素敵なエピソードもあったようです(そりゃそうだ)。
★キャスパー・ヴァン・ディーン大活躍の「スターシップ・トゥルーパーズ」はこちら。
★エグゼクティブ・プロデューサー、テロ・カウコマーが本作以前にクラファン資金で製作した作品はこちら。
☜ランキング投票です。次は自分を捨てた母親に復讐する旅に出る「母を殺しに三千里」あたりがいいんじゃないかと思う方はワンポチを。