Here's to the dead. And to the next man to die!
(死者のために。そして次に死にゆく者のために!)
死者を弔う献杯のポーズ。この台詞だけは何となく気に入りました。
「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」
(2012年/荒牧伸志監督)
シリーズ4作目(って言うの抵抗あるなぁ…)。日本人監督によるフルCGアニメ。
1作目の面子が再結集する15周年記念作品…なのですが。
ううむ。どうしてもフルCGというのは“CGであること”に比重が置かれて“面白い話を作る”という作劇の工夫が疎かになりがち。
面影のないカルメンと完全悪役面のカール。
要するに艦内掃討戦というシチュエーションを作りたかっただけにしか。
位置関係もよく分からない艦内での銃撃戦は正直飽きます。
登場人物はただでさえキャラ設定が中途半端なのに、アーマーで顔隠しているから更に没個性。大体何で艦内装着のアーマーが森林迷彩デザインなんだ?
メカとか小道具はいい感じなのですが…。
バグ・クイーンによって航行システムを制圧された船はワームホールを通って地球へ。
宇宙船が激突するだけでも大惨事なのに、バグの地球侵入を許したら地球壊滅オープンリーチ。多少の犠牲を払ってでも大気圏突入前に撃墜しなければならないはずなのに。
地球本国が宇宙船の墜落をリコからの報告があるまで気づかないってどういう事?
リコは将軍に出世。ほとんどスネークな佇まい。
リコの嘆願によって迎撃は一時中断され、リコ自らが船の救出に向かいますが、こと船の地表激突阻止に関して言えばリコは何の役にも立っていません。
パリ激突を間一髪免れたのは運が良かっただけ。これを静観していた地球の防衛システムはザルどころの話ではありません。
広大な宇宙から狭苦しい地上に来てようやく空間の広がりを実感できるとは…。
余談ですが、エッフェル塔をかろうじて避けた船は次のカットでどこぞの山岳地帯に不時着しておりましたが、パリってのはそういう地形の街なのか?
カール(役職は大臣)の実験とやらも上層部が容認してのことなのか、カールの独断専行なのかもよく分からず。
1作目と似たような構図にして巧くまとめたつもりか知らんが全然駄目だぞ。
他人がプレイしているゲームの画像をぼーっと眺めているような『なんだかなあ…』な仕上がりでした。
★やっぱトゥルーパーズは実写だぜ、という方はこちらを↓