サトウカズマだけは敵に回してはならない。
たとえ相手が女であってもドロップキックをかますことができる真の男女平等主義者。
その矛先は相手が魔王幹部のダークプリーストであっても変わらない。
12巻に手を出したのを契機に前に遡りつつ後ろに下り、ようやく最新刊へ。
13~14の中だるみ(いやそれはそれで楽しめたのですが)が嘘のようなバーリ・トゥード回。
次々にセレナの傀儡と化す街の人々。命の保証と引き換えにセレナの正体を他言せず行動を阻害しない裏取引をしてしまったカズマでしたが…。
この耐える(苦悩する)→吹っ切る→顔面ドロップキックを皮切りに反撃に転じるカズマのかっちょ良さよ。
しかし、真の見せ場はセレナの魔術で傀儡に堕した後。セレナの奴隷になりながら無意識の反撃。その最低さたるや正にクズマ、正にカスマ。
“ニヤニヤが止まらない”とはよく使う表現ですが、本当にニヤけてしまうのは珍しい(花粉対策のマスクしていて良かった)。
何故、精神を乗っ取られながらそこまでの反撃ができるのか。その理由が明かされるたった1行。うっかりしていると読み飛ばしてしまうその1行にカズマの漢を見ました。
この感じ、「あしたのジョー」の金龍飛戦に通じるものがあります。
勝てっこねえと分かっているのに何故立ち上がる…その理由は力石徹。力石のために負けるわけにはいかない。あの感じ。
果たしてカズマが魔王と対峙する日は来るのでしょうか。
クライマックス近しな予感。でも終わって欲しくない。16巻が待ち遠しい。
★ご参考
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