
脳天唐竹割り。“赤子の手を捻る”同様、できそうだけどやっちゃ駄目な行為。
それをいとも簡単に景気よく一撃で…。
「アックス・ジャイアント」
(2013年/ゲイリー・ジョーンズ監督)
この監督さんは「モスキート」(キャッチ・コピー『デ蚊イ!』)とか「スパイダーズ」(キャッチ・コピー『超!巨!大!』)を撮った人。因みに本作のキャッチは『マジでデカい!』。
原題も「AXE GIANT」ですが、「THE WRATH OF PAUL BUNYAN」(ポール・バニヤンの怒り)というサブタイがついています。
ポール・バニヤンとは? アメリカの伝説上の巨人、怪力無双の木こりさんの事だそうです。日本で言えばダイダラボッチみたいな感じでしょうか。

左が本編に登場するバーの入口に立っているポール・バニヤン像。右がカリフォルニア州クラマスの公園にそびえるポール・バニヤン像。片側にいるのが従者(使い魔?)のバッファロー、ベイブくん。
事の起こりは1894年、ミネソタ州。木こりさんがうっかりベイブくんを撃って殺して吊るして焼いて。友達喰われたバニヤン激怒(この時はまだ等身大)。
集落の木こり全員を自慢の斧で縦斬り横斬り斜め斬り。このシーンなかなか秀逸で掴みはOK。

時は流れて現在。
州の初犯者更生プログラム(ブート・キャンプみたいな感じ)で山を訪れた男女7人。中のひとりがベイブくんの白骨死体から角を盗んだのがマズかった。
彼らの前に巨大な斧を持った大男が…ってマジでデカい。その斧誰が作った? ってかお前幾つだよ? 伝説の人だから歳はとらんのか?
と言う突っ込みなど知った事かとばかりに脳天唐竹割り。

身体は肉襦袢にしか見えませんし、CGも合成もなんじゃそりゃそりゃな出来なのですが、割と真面目にミニチュアワークとかにも取り組んでいて妙に憎めないものがあります。

77年のホワイト・バッファロー(右)に余裕で負けているCGベイブくん。
山に住むちょっとイカレた親父役でジョー・エステヴェス(マーティン・シーン弟)が顔出しています。
余談ですが、ポール・バニヤンには「生まれた時から8m」「五大湖やミシシッピ川を作った」などの伝説があり、これらが≪チャック・ノリス・ファクト≫の原型になっています。
現在、チャック・ノリス・ファクトは100万種類を超えると言われていますが、私のお気に入りは『赤ん坊が生まれた時に泣き声をあげるのはこの世にチャック・ノリスがいる事を知っているからだ』って奴。