「ムーミンのモデル」だの「ノルウェーの妖精」だのといった形容詞がついていたので、ファミリー向けのファンタジーかアドベンチャームービーだと早合点して敬遠しておりましたが、何だモロこっち側の作品じゃないですか。
売り方を間違えているぞツイン(←日本の配給会社)。
「トロール・ハンター」
(2010年/アンドレ・ウーヴレダル監督)
この監督さん、「ジェーン・ドウの解剖」撮った人ですね(ますますこっち側の人じゃないか)。
舞台はノルウェーのヴォルダ。近隣の家畜がクマに襲われる被害が続発。現地にはベア・ハンター(マタギ×猟友会みたいなもんすかね)が続々と集結。
その様子を撮影しようと乗り込んで来た大学生3人組(トマス、ヨハンナ、カッレ)。
ハンターに話を聞いたところ、ハンターライセンスを持たない密猟者が出没しているらしい。
トマスらはこの密猟者ハンスに興味を持ち、居場所を探し当てると勝手に後つけて取材開始(盗撮とも言う)。
ハンスは密猟者ではありませんでした。
群れを離れて人間界に降りて来たトロールを狩りだして始末する政府御用達の暗殺者、トロール・ハンターなのでした。
トロール? お伽噺や伝説の中の生き物だろ。
鼻で笑っていたトマスらでしたが、森の中に何かの気配。戻ってみれば車がズタボロぺっしゃんこ。
そして遂に森から奴が…あはははは、どこが妖精だよ。「ゴブリンスレイヤー」のホブとかチャンピオンみたいな奴らじゃん。
こんなデケー奴が何故今まで人目に触れずに…ってまぁ政府が隠蔽していたからで、トロール・ハンター(とその背後の組織)はMIBみたいな存在なんですね。
最初はトマスらをうざがっていたハンスですが、トロール・ハンターという職業に嫌気がさしており、トロールの存在の暴露を決意。テレビで公開する事を条件に、取材と撮影を許可。
という「ブレア・ウィッチ」×「クローバーフィールド」なPOVモキュメンタリーでございます。
ハンスはトロールの特性を研究し尽くした罠やら餌やらでトロールを追い込んでいきますが…。
後半、ハンスの愛車ランドローバーが対トロール用にバージョンアップ。
装甲車両マニアとしてはこのマッドマックス2仕様は見逃せません。
ランドローバーの屋根に上ってトロールに攻撃を仕掛けるハンス。おっとこの構図って…
まんま「バイオハザード5」じゃありませんか。
低予算の割りには頑張っていると言えますが、ドキュメントを装うには脚本の詰めが甘すぎ。中だるみ部分が多くて途中2回ほど休憩を挟みました。
徹底してリアルに極振りするか、逆に「藤岡弘、探検隊」まで開き直るかしないと103分を凌ぎ切るのは難しいでしょう。
さて、折角ノルウェーの妖精さんが登場したので、各国代表「伝説のデカい生き物」選手権を開催いたしましょう。
まずはフランス代表「狼男」
そして英国(舞台はチベットですが)代表「雪男」
こうなると俄然、日本代表として「獣人雪男」を加えたい所ですが、ソフト化されてないんですよねえ(封印作品ですからね)…と思ったら海外サイトにアップされておりました(しかもジョン・キャラダインが主役になっているアメリカお得意の「追撮しているのに短縮版」ではなく、日本語オリジナル・バージョン)。
凄いなぁインターネット。
という訳でこちらのレビューは明日。
★ご参考❶~トロールもゲストに駆け付けた…
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