デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

白熱放電に魅せられて。 ダイハード2(とスタンガンの作り方)

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手のひらサイズの小さな小箱。照れくさそうに突き出した2本の角。その2本の角の間を行き来する白熱放電。ラブリーです「スタンガン」。

一般にはあまり知られていなかったこのアイテムをメジャーに押し上げたのは何といってもこの映画でしょう。

「ダイハード2」
(1990年/レニー・ハーリン監督)


奥さんと同じ飛行機に乗り合わせた婆さんが白熱放電をうっとりと眺めておりました(最後はちゃんと使ったし)。

秋葉原あたりに行けば、美少女フィギュアと並んでスタンガンが売られています。3万ボルトクラスの普及版から20万ボルトのものまで百花繚乱・・ってちょっと待て。20万ボルト? 相手はゴジラか。猛獣使い御用達の業務用か。

日本には「銃砲刀剣類等取締法」という平和国家を象徴する素晴らしい法律があり、たとえ包丁であっても理由もなく持ち歩くことは許されません。 と・こ・ろ・が!何故かスタンガンはこの法律に抵触しません。

でも美少女フィギュアなんかと一緒に(あーまぁ別に一緒じゃなくてもいいんですが)スタンガンなんか買ったら、30分後には公安にマークされているでしょう。

買えない、でも欲しい、なら自分で作るしかありません。スタンガンの原理は実に簡単。内蔵している電池の電圧を簡単なインバータ回路でACに変換し、同時に電圧を数万ボルトまで上昇させて一気に放電しているだけ。

実はこれとまったく同じ原理を応用しているのが・・、

そう、レンズ付フィルム(いわゆる使い捨てカメラ)のフラッシュです。こいつを分解してスタンガンに改造することができます(いや、実際に作ったことはないけどね)。

端折って手順を紹介すると、

  1. フィルムと回路充電用の電池を取り外す。
  2. ストッパーをニッパで壊して隙間をこじあけ、内部の基盤を取り出す。
  3. コンデンサの両足をショートさせて放電させる。
  4. 基盤とフラッシュを繋いでいる3本のコードのうち赤い奴を根元から切断。
  5. 残りの2本は電極として使用するのでフラッシュ部近くで切断。
  6. シャッター連動スイッチをカット。
  7. 基盤背面のフラックスが塗っていない2つのランドをハンダづけ。
  8. 市販の電池ボックス(単5×2本用)にリード線をつけて基盤と合体させる。
  9. 収納ケースに電極を取り付け、5で残った2本のコードを取り付ける。
  10. 電池ボックスに電池いれて基盤全体をケースに治め蓋をして完成。


本物に比べりゃ威力は大した事ないようですが、威嚇と護身には十分でしょう。

デジタルに押されていますが、レンズ付きフィルムは探せばまだ売っています。「山守さん、弾ぁまだ残っちょるがですよ」(♪ちゃらら~、ちゃらら~)

※参考文献:ラジオライフ1990年11月号特別付録「裏RL」