アナログなツールはホラー向きです。
「リング」のVHS、「フッテージ」の8mm、16mm辺りが代表格ですが、他にもカセットテープ(音楽よりはプログラム録音の方がそれっぽい)、黒電話、鉱石ラジオなど探せば色々出てきそうです。
本作の小道具もそのひとつ。
「ポラロイド」
(2017年/ラース・クレヴバーグ監督)
ガレージセールを渡り歩いているポラロイドカメラ「SX-70」。
撮ると被写体に寄り添うように映り込む黒い影。
やがて被写体の主は不審死を遂げ、影は別の写真に移動する…。
…という呪いのカメラを手にしてしまった高校生バード(キャスリン・プレスコット)の受難。
バードが普段使いしているカメラはPENTAXのフィルムカメラ。
どう見ても50mmか35mmの単焦点レンズですが、画面上は200mmクラスの望遠画像(笑)。
ポラロイドは普段からストロボチャージの充電音が響き、撮影時にはズバズバ光っていますが、SX-70はストロボ(いやこの場合はフラッシュか)内臓ではありません(別ユニットが必要)。
※SX-70はアマゾンジャパンで7万6068円で購入できます(フラッシュキットを付けると9万999円☜すげーホラーっぽい数字)。
因みにバード役のキャスリン・プレスコットは私生活でもプロカメラマンなんだそうです。
ホラーの定石で引っ込み思案設定のバードが、やはりホラーの定石でグイグイ行く友人に誘われて両親不在の友人宅のパーティへ。
このポラで取った記念写真に変な影。
前後して撮影した被写体が次々不審死。その度に影は別の写真にお引越し。
こんな写真燃やしてしまえ!と短気な友人が火を点けたら被写体もファイヤー(スポンティニアス・コンバッション!)。
人体自然発火!
ホラーの定石で呪われた小道具にはそれ相当の謂れが…。
過去の事件の関係者が生き残っていて身近な所に…というのもホラーの(以下略)。
実にお約束のお煮〆のような展開で意外性は皆無ですが、正統派の演出(誰もいない家の中に人の気配とかそれだけでもちょっと怖い)で破綻がないのでそこそこ楽しめる仕上がりにはなっています(影が終盤、モンスター化してしまうのは心霊ホラーとしては興ざめでしたが…)。
★ご参考❶写真ホラーの残念賞と言えば…
★ご参考❷人体自然発火と言えば…
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★本日6月27日は「エンテベ空港奇襲作戦の日」。
1976年のこの日、テルアビブ発パリ行きのエールフランス機がハイジャックされ、ウガンダのエンテベ国際空港に強制着陸しました(7月3日のエンテベ空港奇襲作戦により人質を救出)。
ストレートから変化球(ビーンボール?)まで様々な映像化が試みられた大事件。
まずはドストレートな映画化を2本。
続いて史実をスパイスに使ったドラマを。
最後にどんな実話もチャックにかかればこうだ!な1本。