デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

アユタヤに忍者、虚無僧、日本刀。 マッハ!弐

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前作(マッハ!!!!!!!!)は、どうでもいい脇キャラといらんエピソードにイラっときましたが、では虚飾も笑いも排してアクション一辺倒にしたらどうかと言うと・・。

それはそれで物足りないなあ。

「マッハ!弐」
(2008年/トニー・ジャー監督)


“弐”と謳っていますが、時計の針は遠心力つけて逆回転。何と舞台はアユタヤ王朝です(正確にはアユタヤが性急なタイ統一に乗り出した頃)。

東部の王家では腹心が寝返って国王夫婦を惨殺。嫡男ティンは奴隷商人の手に落ちますが、山賊(ガルーダの翼峰)のリーダー、チューナンに救われます。

彼の元であらゆる武器、徒手格闘を習得したティン(成長してトニー・ジャー)はお礼参りの旅へ。

お話の骨子は、「ベンハー」「修羅雪姫」「キルビル」に連なる復讐の系譜。違うのはデコレーションの超無国籍性。

タイは中国・インド、ヨーロッパを結ぶ中間地点であり、アユタヤ王朝は日本とも交易をしていたようなので、何が出てきても不思議ではないのですが、まあ出るわ出るわ。

ムエタイ合気道酔拳、三節棍、忍者、虚無僧、日本刀・・。

タイマンで鰐を倒し、象の群れを制圧・屈服させる様はある種の神々しさすら感じてしまいます・・・でもねえ。

この終わり方は酷すぎねえか。

どうも本国では「参」が作られていて、そこで話は完結しているようなのですが、「デスノート」にしろ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にしろ「キルビル」にしろ、途中で終わる場合は、続編の存在が事前に告知されていて、且つ、話としてはそれなりの中締めがされているものです。

これ、単独作品として観たらもの凄ぉく嫌ぁな後味しか残りません。エンドクレジットが出た時「終わりかよ!」と突っ込んだ人、相当いると思います(「殺しが静かにやってくる」とは本質が違う)。

まあ、モヤモヤしてる奴は「参」も観ろよ、という事なのでしょうが、そういう商売は好かんなあ・・。

※参考:「殺しが静かにやってくる」→2008年2月18日
    「肘は槍、膝は剣。 マッハ!!!!!!!!」→2010年2月15日