デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

カットの意味が分からない。 オペラ座/血の喝采[欧州完全版]

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米国改竄版がどうにも納得行かなかったので、欧州完全版を取り寄せました。

なんだ、ちゃんと話繋がっているじゃないか。

アメリカ人は何を考えてあんな無意味な編集したんだ。

オペラ座喝采[完全版]」

(1988年/ダリオ・アルジェント監督)


米国版では、主人公を助ける為に唐突に現れる謎の少女が、「訳分からん」と非難の対象になっておりましたが、ちゃんと前フリも説明もあるじやないですか。

少女は主人公ベティの隣に住んでいる“ご近所さん”でした。

両親の喧嘩を見たくないのでマンションの通風孔に避難(?)、そこでベティの歌声を聞きひそかにファンになったようです。

少女の母親が男をとっかえひっかえ銜え込んでいるようで、ベティと彼女の母親の関係を暗示する印画紙のような設定になっています。

すげー重要なシーンじゃん。何考えてんだアメリカ人(いや、何も考えていないのか)?

ラストの“草にからまったトカゲを「もうあなたは自由よ」と解放してやる”シーンも米国版ではまるっとカットされておりましたが、全く以て理解不能です。

PAL環境が必要ですが、是非、欧州版でご覧ください(おまけでUS版も付いてきます。但しUS版は英語字幕無し)。

因みにこのDVDには映像特典として「ダリオ・アルジェント映画予告編大全集」が収録されています。

歓びの毒牙」に始まり、「デス・サイト」まで。〆は「ゾンビ」。1本1本が結構長いので、観終わる頃には「ああ、もう、うるさいわい!」となる事請け合いです(笑)。

※参考:「イタリア警察はカラス以下。オペラ座/血の喝采」→2010年9月12日