
「ゾンビ」の3バージョン[ドイツのマニアが作った最長版とBGMがサスペリアに差し替えられた木曜洋画劇場版を入れれば5バージョン]で何が好きかと問われれば、バランスの良さで「米国公開版」と応えます。
ただ、オープニングだけで言えばぶっちぎりでヨーロッパ公開版(≒日本公開版。所謂ダリオ・アルジェント・バージョン)、
今まさに世界が終わりつつあるという緊張感をテレビ局スタジオという限定空間で見事に表現しています。

この寂寞感、絶望感を後押ししているのがゴブリンのメインテーマ。
このイントロが低予算ホラーにデストピアSFの誉れを景気よく上塗りしています。

そして、SWATのプエルトリカン・アパート襲撃シーンで流れる“ゾンビのテーマ”。
かなり大味な演奏ですが、その軽さが逆に事態の重要性を際立たせています(贔屓の引き倒しって奴か?)。
『畜生、プエルトリカンのくせに俺よりいい家に住みやがって。ぶっ殺してやる!』
狂ったSWAT、ウーリーの快進撃を爽やかにアシストする名曲です。
このサントラ、ゾンビ20周年アニバーサリー・エディションなのですが、ボーナス・トラックに「ゾンビのうめき声」なんてものが入っていて…。
正直、あんまり嬉しくありません(笑)。