デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ドミニカで屠る肉屋のテクニック。処刑人ソガの凄まじい人生

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ドミニカ共和国サンティアゴ。ルイシトは肉屋の息子でありながら、豚1匹殺せない繊細な心の持ち主。

人生の転機は10歳の時。目の前でヤクの売人が父親を射殺。

犯人はアメリカへ逃亡してしまいましたが、一緒にいた仲間には後日無言でナイフの一撃。

この冷静沈着なお礼参りに“才能”を感じ取ったコロン将軍は、ルイシトに殺しのテクニックを手ほどき。国家警察の殺し屋に育て上げます。

 

20年後、人々はルイシトをこう呼んで恐れました。「処刑人・ソガ」と。

 

「処刑人ソガの凄まじい人生」
(2009年/ジョシュ・クルック監督)

 

極めて特殊な環境で育った「めずらしい」人生ではありますが、「凄まじい」と最初に刷り込まれてしまうと『う~ん、それほどでもないんでね』

初めてルイシトに豚の屠り方を教える時の描写が肉屋のマニュアルに使えるくらい懇切丁寧(全工程早回し)。

喉を切り裂くのが簡単で効率的だが、それだとソーセージに使う血液が流れてしまう。だから脇から心臓を貫いて殺す。

右膝で豚の頭を押さえ、左手で豚の左前足を持ち上げて一気に心臓を刺す。この屠殺のテクニックがルイシトの決め技に…。

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手に職があるというのは素敵な事です。

 

初恋の相手に再会して足を洗う決意をするルイシトですが、そこに父親を殺した男がアメリカを追放されてドミニカに戻ってくるという情報が…。

もうバッドエンドフラグびんびんの展開ですが、これが「うっそ~!」なくらい爽やかなエンディング。

“凄まじい人生”にこだわらなければ、そこそこな佳作ではあります。

 

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