デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

いやあ、愛おしいなあ スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ

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失敗だ!でも何か妙に愛おしいぞ。

「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」(2007年/三池崇史監督)

ギャグの9割がダダ滑り。特に香川照之のエンドレス一人芝居と貴さん捨て身の暴走は、ちょっと居たたまれない程の滑り方。

日本訛りの英語ってのも正直「どうよ?」なのですが、制御不能なまでに立ちまくるキャラ設定が、全てを御破算にしちゃってます。

壇ノ浦から数百年。寒村に眠る埋蔵金を巡る源氏と平家の抗争戦。

流れ者のガンマンに海猿伊藤英明。一応主役ですが、呆れるくらい目立ちません(笑)。

源義経にCASSHARN伊勢谷。これが思いのほかイイ!実質主役。

平清盛佐藤浩市。卑怯と姑息を絵に描いたような小心者。グレイシー軍団のような一列縦隊で盾を作るあたり、情けなさ過ぎて応援したくなります。

伝説の女ガンマンBB(ブラッディ弁天)に桃井かおり。その師匠ピリンゴにクエンティン・タランティーノ! このメンツの前では今をときめく小栗旬もただの童貞野郎です。

全編オマージュと小ネタの嵐ですが、気になった所をひとつだけ。

香川照之に突き刺さる十字架の墓碑銘「MERCEDES ZARO」は、「続・荒野の用心棒」ラストでフランコ・ネロが拳銃を引っ掛ける昔の恋人の墓のもの(コマ送りで確認してください)。

エンディングはサブちゃん熱唱「ジャンゴ さすらい」。いまさらですが名曲です。

にしても、桃井姐さんが持っていた「スコフィールド」、かっちょええなあ。

※関連:さすらいのジャンゴ→2008年5月13日