デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

初心者向け内臓幻視 イグジステンズ

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『魔女アレグラ・ゲラーに死を!』

おっと「ビデオドローム」の続きですか!?な発砲事件で幕を開ける悪夢の世界。

 

イグジステンズ

(1999年/デビッド・クローネンバーグ監督)


発砲ったってクローネンバーグですからね、ただの銃じゃございません。小動物の死骸を組み合わせたもので弾は人間の歯。

バーチャル・リアリティ・ゲームがテーマですが、ストーリーはありがちで大した捻りもなく、岡嶋二人の「クラインの壺」に比べたら発想だけの直球勝負。

でも、これが純度100%のクロネン映画。

イグジステンズは、脊髄に開けた穴にゲーム・ポッド(コントローラーね)を直接差し込んでプレイするバーチャル・ゲームですが、まずこのゲーム・ポッドがクロネン印。

胎児なりかけのようなプルプルベロンな形、ケーブルはどう見てもヘソの緒。

また、ゲーム、特にアドベンチャー系が好きな人には口元緩むシーン多数。

正しい問いかけ(回答)をしないと相手が反応しない(同じ質問を繰り返す)とか、「林の中の中華屋に行ってスペシャルを頼め」という情報を入手して、スペシャルな肉料理の骨を組み合わせると武器ができるとか。

初心者でもお手軽に内臓幻視なクロネンワールドに入れる作品です。主演、ジュード・ロウなので女性の方も怖がらずに是非。