デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【特撮は字幕、生首はマネキン】必殺!恐竜神父【雑木林は中国兼ベトナム】

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目の前で両親が車ごと爆殺!しかし、爆発シーンはなく、代わりに「VFX:Car on fire(特殊効果:炎上する車)」のテロップ。

その手があったか!(笑)

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これは応用が利きますね。悲鳴だけ被せて「目を覆う残虐描写」とか笑い声だけ乗せて「抱腹絶倒の一発芸」とか。

金とネタに困ったら試してみるのも一興です。

「必殺!恐竜神父」(2018年/ブレンダン・スティアー監督)

両親を殺されたのは若き神父ダグ。神の御心が推し量れなくなったダグは先輩神父の勧めで旅に。

行先は「神に見放された地」。車をかっ飛ばして着いた先はどう見ても裏山の雑木林ですが、画面にはでっかい字幕で「CHINA」

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ここで謎のチャイニーズ忍者に追われていた女から牙の化石のようなものを受け取ったダグの身体に異変が…。

ダグもチャイニーズ忍者に狙われていたはずですが、「はい、ここの話はお終い」とリターン・トゥ・アメリカ(近いすね中国)。

激しい空腹を覚えたダグは夜の公園で娼婦キャロルに絡んでいたチンピラ強盗を恐竜に変身して惨殺。

直後、キャロルの足元にそいつの生首が転がるのですが、どう見てもマネキン。しかも女顔でカツラ無しのハゲ。

十分ご理解頂けたかと思いますが、要するに「そういう映画」です。

中国だった雑木林は、その後ベトナムになったりアメリカのチャイニーズ忍者の秘密基地になったりします。

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両親爆殺の犯人を知ったダグはキャロルと協力してチャイニーズ忍者軍団と戦う事に。

キャロルは特に武芸に精通しているわけではない学生兼娼婦なのですが、忍者と正面から渡り合える強い女(勿論、戦う時は戦士の正装「タンクトップ」に)。

チャイニーズ忍者の秘密基地(どう見てもテント張っただけの野営地ですが)にはあちこちに謎の漢字の告知文字が。

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何となく意味が分かるだけに気になります。

クライマックスは恐竜に変身したダグと忍者軍団の「壮絶な死闘」になるのですが、恐竜の背中(と言うか首と言うか)にある「コブ」が気になって気になって。

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膨らんでいる理由が分かるだけに悲しさひとしおです。

激しく観る人を選ぶ、しかも選ばれたからと言って決して満足する事も無い(しかし、ちょっとクセになる)正真正銘のZ級映画です。

 

 

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★本日4月28日は「象の日」。

729年(享保14年)のこの日、交趾国(現在のベトナム)からの献上品として清の商人が象を連れてきて、京都で中御門天皇の御前で披露されたんだそうです。

4月は15日が「象供養の日」で象月間。

象が登場する映画は多々ありますが、個人的印象一番はやはりこれ。