江戸中期、現在の新宿に当たる宿場町を縄張りとする日本最古の博徒「内藤新宿一家」。
やくざ組織には極めて稀な「世襲制」を貫いてきた一家の十二代目総長・鷲尾軍司(小沢仁志)は、新宿を外敵から護るための親睦団体「在京四社会」を発起、関東のヤクザ組織に戒律をもたらしました。
内藤新宿一家が抱える問題はふたつ。
ひとつは、資金難から10億にのぼる借金を踏み倒しまくっている「新宿木場一家」に関西の一大勢力・難波会から流れて来た松浪組がちょっかいを出して四社会のバランスが崩れ修復不能な亀裂が走っている事。
そしてもうひとつは内藤新宿一家の次期総長の資格を持つ鷲尾の唯一の血統、大河が未だ小学生であると言う事。そして困った事に大河は武闘派の父とは対照的に小心で弱気でした。
「覇王 凶血の系譜」(2016年/小沢和義監督)
小沢仁志実弟・小沢和義の監督第1作。
タイトルバックから「かっちょいい映画を撮ってやろう」という気概が表面張力。
シリーズの1作目は打ち上げ花火。アニキに華なんか持たせねぇぜ、とばかりに景気よく使い捨て。
かっちょいいパートを担うのは内藤新宿一家 舎弟頭補佐・土岐零時(山口祥行)。
ひとたび放たれたら全ての首を刈るまで戻って来ない殺人ブーメラン。
終盤にはガン=カタ張りの肉弾アクションも魅せてくれます。
更に尊敬と信頼に裏打ちされた大河との関係性(父に開かぬ心も零時には開く)もあって良いとこ取り。
顔面火傷&包帯というまるで死神のようないで立ちの訳ありヒットマンで小沢監督自らも。
恐らくは内藤新宿一家の獅子身中の虫として加藤雅也が(OPクレジットは小沢仁志の後でオオトリ)。
過酷にも程がある運命の扉をこじ開けた大河と零時。
この二人を待ち受ける未来とは…。
ハッピーになる要素はびた一文ありませんが、続きを観ずにはおれません。
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で、本日4月27日は怪しいにもほどがある内藤新宿一家・舎弟頭、金丸友記役、加藤雅也(1963~)の誕生日(おめでとうございます!)
齢重ねて香ばしさ満開になりましたが、本日は水も滴る若き日のこの2本を。