小沢仁志主演、と思って見始めたらアバンで死亡。おっと、名前貸しゲスト出演か?と思いきや、直後に弟役で再登場(笑)。
まぁ似たような事はその昔、真田広之も「吼えろ鉄拳」でやってますし、ご愛嬌の範囲内。
「西日本最大の抗争」
(2014年/城島想一監督)
舞台は徳島。珍しく「実録」を冠しないエリア限定抗争もの。
大阪から流れて来て中西組の若頭に収まった商業やくざ、南(古井榮一)。
よそ者が一足飛びに要職に就いたことが面白くない同組舎弟頭・田中亥作(小沢仁志)は、突っかかり放題突っかかりますが、南にそそのかされた下っ端に立ちション中刺されるというマカロニ方式で死亡。
すったもんだの挙句、中西組は解散。亥作の弟(田中三兄弟の三男)卯之介(小沢和義)は、兄弟分の金鵄会磯谷組に移り、南はコネとツテを頼りに日本最大組織の枝の枝にぶら下がり…。
地方やくざモノはこの「末端組織」図が面白いと同時にややこしい。
花房組系白波組傘下羽生一家内南組…遠いなぁ~。
で、ここに事件当時服役中だった田中虎次(小沢仁志2。田中三兄弟次男)が出所して復讐宣言。『南、ぶち殺す!』
亥作と虎次はどう見ても一卵性双生児ですが、名前から察するに亥作と虎次は3つ違い、虎次と卯之介は1つ違いという設定のようです。
速攻、鉄砲玉飛ばして南を刺しますが、悪運強く生き残り。
一旦は手打ち。しかし、南が手打ち破りで磯谷滅多刺し。が、こちらも悪運強く生き残って抗争泥沼。
南は大組織花房組(神戸のあそこでしょう)の威を借りて、とっとと政治決着に持ち込みたい所ですし、当の花房組からも支援打診が入っているのですが、間に入っている白波組がこれを頑なに拒否。
『徳島やくざは一本独鈷。徳島の喧嘩は徳島で納めます』
何度も登場する言葉「一本独鈷(いっぽんどっこ)」。
畠山みどりの「出世街道」、水前寺清子の「いっぽんどっこの唄」の歌詞にも登場する単語ですが、あちらとは意味が全く異なります。
やくざ社会で一本独鈷と言えば「大組織に所属せず独立を維持している組」の事(分かりやすいヤクザ・暴力団単語集https://www.ヤクザニュース.com/archives/204#i-6より)。
つまり内輪の揉め事に県外大組織の助力を頼んだとあっては徳島やくざの沽券にかかわる、という事です。
磯谷組長の『地獄を見せたれ』の一言にも後押しされて徳島の街を狂犬、いや狂虎が走る。
相変わらず、古井榮一の「セコくて小心な組長」は絶品でした。
因みに本作DVDには鬼龍院にあやかって「極道(ヤクザとルビ)舐めたらいかんぜよ」という捻りのないコピーが踊っていますが、「~ぜよ」は土佐弁ですよね。
徳島弁(阿波弁)だと「~じぇ(もしくは「ぞい」「ぞえ」「ぞよ」)」になるようなのですが、
『舐めたらいかんじぇ』「舐めたらいかんぞい」
…どれも迫力に欠けますね。
★古井榮一の「セコい組長」を堪能したい方はこちらも。
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★本日5月29日は、第35代アメリカ合衆国大統領、ジョン・F・ケネディ(1917~1963)の誕生日。
まあ誕生日よりも圧倒的に命日の方が有名な方ですが、生前(?)のケネディさんが大活躍する希少な作品がございます。それが…
ホントだってば!