昭和40年代。高度経済成長ド真ん中の日本、名古屋。
時代も若いが役者も若い。そして細い。
「実録 名古屋やくざ戦争 統一への道」(2003年/石原興監督)
久しぶりに取り上げる実録モノ。
昭和44年に勃発した山口組弘田組vs大日本平和会山中組(とばっちり豊山一家)のいわゆる東陽町事件を映像化。
まずは実録モノのお約束、人と組織の整理整頓。
お話の火種となるのは三代目山王会直参城田組組長・城田武志(竹中直人。モデルは三代目山口組直参弘田組組長・弘田武志)配下の武闘派三羽烏。
- 城田組若頭補佐 佐崎組組長 佐崎康博(渡辺裕之。モデルは弘田組若頭補佐兼佐々木組組長・佐々木康裕)。
- 城田組若頭 仁笠興業組長・仁笠剛(小沢仁志。モデルは弘田組若頭兼司興業組長・司忍)
- 城田組若頭補佐 神代組組長 神代光雄(羽賀研二。モデルは弘田組若頭補佐兼神谷組組長・神谷光雄)。
この三羽烏に下駄を預けた若者が3人。
- 渡辺裕之に拾われた愚連隊・高嶋誠司(中野英雄。モデルは髙山清司←現在は六代目山口組若頭と三代目弘道会総裁を兼務)。
- 小沢仁志に声を掛けられた無頼・門井幸政(遠藤憲一。モデルは土井幸政)。
- 羽賀研二の若い衆・桂木亮介(ヒロミ←モデルの実名は不明だがちょっと美味しい役)。
城田組の中京進出によって一触即発状態になっていたのが、大日本昭和会中山組(モデル大日本平和会山中組)。
この中山組小牧支部に出入りしていた者が神代組(羽賀研二のトコね)に加入したもんだから、中山組が「引き抜きだ!」とイチャモンつけて抗争勃発。
中山組組員が神代組事務所にカチコミかけて組員2名が死亡、2名が重軽傷(東陽町事件)。この死亡者2名の内1名がヒロミ(結婚して子供が生まれてお宮参りの前日と言う死亡フラグ万国旗)。
大日本昭和会は実行犯とっとと自首させて事務所畳んで脱・名古屋。
収まりがつかない城田組は同じ大日本昭和会系列の遠山組組長・遠山玉秀(小西博之。モデルは大日本平和会豊山一家・豊山王植)を返しのターゲットに(完全にとばっちり)。
襲撃の夜は雨。必殺カメラマン石原興の面目躍如な光と水の絵面。
この事件が抗争の序章。統一への道のはじめの一歩です。
2003年という製作年度のせいかもしれませんが、画面の隅から隅まで知ってる顔。
出番一瞬キャラに山下真司、北村一輝という贅沢さ。
遠藤憲一とか小沢和義とか「わっか!ほっそ!」なスリム&スレンダー。ひとり小沢仁志だけがゲンコツみたいな顔でちょっと違和感(笑)。
モブも「この人たちが出ていないと何か寂しいわ」な人たちを《中京五社会》としてまとめて押し出すサービス(?)ぶり。
オールスター映画と言って良いと思います。
★本日2月23日はダコタ・ファニング(1994~)の誕生日(おめでとうございます!)
私的代表作はこちら。