【戦わずしてドナドナ】怪人開発部の黒井津さん ♯6【我が心のブラック企業】 - デストピア経典～曼荼羅畑でつかまえて（三代目）

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食品偽装、異物混入、コンプライアンス違反、強化研修センター…。

悪の秘密結社では今日も素敵な単語が飛び交っています。

「怪人開発部の黒井津さん／第6話・見えざる力に虐げられた純朴な魂は、たぎる怒りと焦がれる想いによって結実し、悪しき魔物となり顕現する」（2022年2月19日深夜テレビ朝日放送／木村佳嗣演出）

黒井津さんの新企画プレゼンはバレンタインを睨んだ期間限定「チョコ怪人」。

身体の表面にチョコが流れているように見せたいのですが、原材料費と保存の観点から問題が。かと言ってチョコに見えるポリマーではチョコ怪人にならない。成分に申し訳程度にチョコを入れるのも食品偽装業者みたいでちよっと…。

怪人を食べるわけじゃないんだから、本物チョコを使う必要は…と激論戦わせる開発部に首領アカシックが乱入。

『チョコはいい加減じゃダメ。バレンタインチョコは愛の塊なのよ』

普段、ロクにチョコも作らない人間が良いチョコ怪人を作れるわけがない！乙女心が死にかけている黒井津さんとウルフくんちゃんにアカシックがチョコ特訓を…。

例によって目的も手段も取り違えているアガスティアでした。

勿論、特訓は作業に合った服装で。

これまでちょいエロセクシー路線はウルフくんちゃんの担当でしたが、今回は黒井津さんも参戦。眼福です。

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『ここに書いてあるココアバターとカカオマスとレシティンとトレハロースって材料から作らなくちゃ手作りって言えないんじゃないの？』

誰もが思っていながら決して口に出さない疑問をウルフくんちゃんが。

『舐めてんの!?』

『どこに売ってんの、トレハロース』

トレハロースはトウモロコシなどのでんぷんから作られる砂糖の40%の甘さの糖質で、通販で購入できます（200gパックから2kｇパック、業務用20kgまで容量色々）。

作業工程にも一言。

『溶かして固めるだけなら一緒じゃないか。それなら既製品のままでいいだろ』

誰もが思っ（以下略）

『はい、マイナス1乙女。マイナス3乙女になったら、徹底的に乙女心を焼き付ける部屋行きね』

その部屋では一体何が行われているのか（何やら淫靡な雰囲気が…）。

特訓の甲斐あって見事、チョコレート型怪人メルティがロールアウト（特訓と開発の因果関係が１ミリも理解できませんが）。

が、しかし、誕生祝いに沸く開発部に1本の電話。

何と予算内で原料のチョコを納品してくれた丸刈物産で「金属片混入」インシデントが。

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怪人食べるわけではないし、そもそもブレイダーを始末しようとして作った怪人だし、金属片混入くらい…

『不許可だ！』

メギストスが一蹴。

『社会的責任のある悪の秘密結社として承認出来ない。チョコレート怪人メルティは廃棄！』

異物が入っていても戦えるとすがるメルティですが『食料品関係で問題のあるものは提供できない！これは組織の信用の問題だ！』

乙女の愛をもってしても覆す事のできないコンプライアンスの壁（ホント何屋なんだよアガスティア）。

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メルティは戦わずして廃棄となり、メギストスにドナドナされていきました（合掌）。

頑なにホワイトなアガスティアに反してゴリゴリのブラック企業ブラックロア。

朝礼にかける時間は50分…って嗚呼なんだろう、この既視感。

そうだ、新卒で入ったコンサル会社だ。朝礼は毎日。社歌斉唱、基本方針唱和、3分間スピーチ、週間目標（「新規開拓！」とか「目標必達！」とか）、各人行動予定に部署別当月予実対比…

え、あそこってブラック企業だったの？

《新卒で入った人員は往々にして組織の悪い所は見えないフリをしがちである》（第5話ナレーションより）

ブラックロアには「強化研修センター」なる業績不良者が送り込まれるガッチャン部屋（社内からもアクセスできない孤立した場所で、毎日毎日、組織の掟を語るビデオを見せられて、その感想文を書かされる）もあり、峰円とエルバッキーは戦々恐々。