
ルーマニアの片田舎に必要なもの。人脈、権力、信仰心。
決して持ち込んではならないもの、やる気と正義と好奇心。
田舎には田舎のルールがある。
「おんどりの鳴く前に」(2022年/パウル・ネゴエスク監督)
「ひぐらしのなく頃に」丸パクリな邦題ですが、原題は「OAMENI DE TREABA」。一般的には「善人」という意味ですが、「(内輪の)仲間」「こっちサイドの人間」という意味も。
因みに英題は「MEN OF DEEDS」。口先だけでなく実際に行動を起こす人たち、特に善良な行いをする人を指すそうです(口先だけの人は「MAN OF WORDS」)。
イリエ(ユリアン・ポステルニク)は田舎の寒村モルドヴァの警察官。望みは波風立てずに暮らす事。夢は果樹園を持つ事。

村を回しているのは村長夫妻と教会の神父。この一見平和な村にやってきた異邦人。新人警察官ヴァリ(アンゲル・ダミアン)。
『何故、この村に来たんだ?』
『チャレンジになると思って』
『チャレンジ? ここでは何も起きないぞ』
そう、こんな田舎で事件なんか…起きました。しかも殺人。
張り切って聞き込みに回るヴァリですが、研修期間中の単独捜査はルール違反。イリエは勇み足を諫めますが、ヴァリの行動を苦々しく思っている人物が他にも…。
やがてイリエにも見えて来る村の暗部。何者かに襲撃され重傷を負ったヴァリ。
イリエに突きつけられる選択肢。
「OAMENI DE TREABA(内輪の仲間)」になるのか、「MEN OF DEEDS(善良な行いをする人)」になるのか。

ホルスターの中には本来なら手にすることはなかったはずの拳銃Md.74(正式名称:Pistolul calibrul 7,65 mm Md. 1974、愛称カルパツィ-Carpați -)が。
Md.74は、ルーマニアのクジール社で開発された自動式拳銃。
ルーマニアの軍と警察で使用されていたトカレフTT-33の後継として1970年代に開発された拳銃であり、1974年にルーマニア軍で制式化されました。小型・軽量に重点が置かれ、全体的な設計はドイツのワルサーPPの影響を強く受けています。

なかなかお目にかかる機会の少ないルーマニア製拳銃。その弾丸が射抜くのは悪か正義か因習か。

★田舎・寒村・犯罪・矜持を描いたお仲間をひとつふたつ。
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