『こいつはよ、桃子はいつだって一人で立ってんだよ。自分で決めたルールだけを信じて。群れなきゃ走れねえあんたらとは格が違うんじゃボケェ!』
茨城の田舎町を全国区に押し上げた侠気映画の傑作です。
関東に住んでいながら、初めて聞いた時は下妻が地名とは気付かず、てっきり幼な妻があんなことやこんなことをする嬉し恥ずかし物語かと。
根性捻じ曲がりロリータ娘として記号的に「存在」した深キョンもグッドですが、一本気ヤンキー娘イチゴに扮した土屋アンナがハマりまくりです。
演技が巧い、というのではなく、キャラと実像が限りなくシンクロした結果だと思いますが。
陽炎の彼方から原チャリでやって来る登場シーンは「アラビアのロレンス」のオマーシャリフばり(この時のアンナの言葉づかいに「時代劇?」「わたし、殺される!」とカメラ目線モノローグで突っ込み入れる深キョンの表情が最高!)。
中島監督は、この後の「嫌われ松子の一生」、最新作の「パコと魔法の絵本」(予告しか見てませんが)で、原色作り込み過多な絵作りがすっかり鼻についてしまいました。残念。
ヤンキー変身前のイチゴがチャリの立ち漕ぎしているシーンで一瞬映る「ホットスパー」が眩しいです(昔、ちょっと関係してたもんで)。
にしても、ラストの「タイムマシンにお願い」にはやられました。