デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

そこで「クリムゾンキングの宮殿」か! トゥモロー・ワールド

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カーステから「HUSH」(勿論1期のオリジナル版)が流れた時に「お!?」っと思ったのですが、まさか「クリムゾンキングの宮殿」が出てくるとは。

トゥモロー・ワールド
(2006年/アルフォンソ・キュアロン監督)


で、モノクロのゲルニカ背にして窓の外を眺めれば、そこには「アニマルズ」(ピンク・フロイド)のジャケット(工場&豚バルーン)がどーん! 素晴らしい!

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すみません、ストーリーと関係ない所で盛り上がってしまいました。

舞台は2027年。人類が生殖能力を失って18年が経過した近未来のロンドン。

暴力と無秩序が蔓延する中、徹底した鎖国政策と移民排斥によってかろうじて国家としての体裁を保っているイギリス。いやあ、デストピアですねえ。

ひょんな事から「奇跡」を内包した少女を政府と反政府グループ双方から守るハメになった男(クライヴ・オーウェン)のお話。

多少の小細工をしているとは言え、あの長回し(ワンカット)撮影は「ションベン・ライダー」以来の衝撃(いや、他に例えが思いつかなくて)。

戦闘シーンは5.1チャンネルのスペックを極限まで引き出した臨場感(でも、レンズの血痕付着は否応無しに「カメラ」の存在を意識させてマイナス)。

赤ん坊の泣き声ひとつで、兵士は十字を切り、移民は両手を合わせ、モーゼの十戒の如く人垣が割れていく・・・「撃つな!砲撃中止!撃ち方止め!」

命を運ぶと書いて「運命」か。なるほど。