時代を先取りしすぎて不発(興行的には)。
「ブレインストーム」(1984年/ダグラス・トランブル監督)
ブレインストームとは、他人の経験を記録・再生する特殊装置。
単に記憶だけじゃなくて痛みや感情、エクスタシーいった「感覚」も実感できる、という所がミソ。
ゴージャスなマスターさえあれば、セックスは相手いらず、絶叫マシンも場所いらず、拷問は道具無しで選び放題・・・。
んじゃ「死」の経験を記録したテープを再生したら・・・。
開発者(ルイズ・フレッチャー)が心臓発作を起こして死ぬまでをブレインストームに記録(まんま再生すれば即死。執行猶予無しの「リング」みいなもんですな)。
このテープの「視聴」にこだわる同僚(クリストファー・ウォーケン)と発明の兵器利用を目論む政府との攻防が描かれる後半はそこそこ面白いのですが、そこに辿り着くまでがちと冗長。
所謂バーチャル・リアリティの先駆的作品で、この先に「トータル・リコール」とか「マトリックス」とか「イグジステンズ」とかがあるのでしょう。
ウォーケンの妻役でナタリー・ウッドが。実年齢だと5歳年上の姉さん女房。本作撮影中に事故死(当然遺作)。
ルイズ・フレッチャーは「エクソシスト2」から5,6年にしちゃ老けてるなあ。「カッコーの巣の上で」のクール・ビューティーはどこ行った?
この映画、劇場公開時は、現実世界がビスタ、バーチャル映像がシネスコという変則上映だったのですが、DVDはこれを「愚直に」移植したので、TV画面で見ると現実世界の方が画面がデカいというお間抜けな仕様になってます。