素顔無用の厚化粧、モンゴリアン・チョップすら可能な巨乳。
ゴスで乱暴でセクシーなお姉さま、エルヴァイラの登場です。
「エルヴァイラ」(1988年/ジェームズ・ニショレッリ監督)
TVでB級C級Z級のホラー映画を紹介しているエルヴァイラに叔母の遺産が転がり込んだ。
喜び勇んで駆けつけたら、遺産は朽ちた屋敷と料理の本と犬1匹で現金ゼロ。
おまけに町は超保守的なキリスト教原理主義者の年寄りが支配していて、悪魔チックなエルヴゥイラは鼻つまみ(但し若者は男も女もエルヴァイラにぞっこん)。
実は死んだ叔母(そしてエルヴァイラの母)は魔女で、料理本に書かれたレシピは魔術の秘伝書でした。
お下劣コメディではありますが、話の骨子は“秘伝書争奪戦”という鉄板フォーマット。
エルヴァイラを守る魔道犬(プードル)が実にキュート。エルヴァイラにモヒカンにされてしまいますが、鼠に変身してもちゃんとモヒカンになっているのが笑えます。
魔術のレシピを試したエルヴァイラは魔女として逮捕され、火あぶりに(現代劇だよ)。
実はこの町、マサチューセッツ州の設定なのですが、マサチューセッツで火あぶりと言えば、古典的名作「死霊の街」。何とも目配せが効いています。
映画館を借り切ってエルヴァイラの活弁付きで「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」を上映し、終了後はエルヴァイラの生フラッシュ・ダンス(モロバレの吹き替えは本家オマージュ)というイベントも素敵です(近所でやってたら絶対行く)。
エルヴァイラはカサンドラ・ピーターソンという女優さんですが、最早彼女を本名(いやこれも芸名か)で呼ぶ人はいないでしょう。
本作が気に入った人は13年後の続編「帰ってきたエルヴァイラ」もどうぞ。