
冒頭の惨劇が起きる前、家の周りに吹く風の臨場感が抜群。
音響設計に手を加えるだけで、これだけの雰囲気を醸成する事ができるのか…とちょっと期待をしたのですが…。
「そのネズミ、凶暴につき」(2013年/ジョーダン・バーカー監督)
いやあ、すみません、タイトルだけ見ててっきり“ウィラード系動物パニック”と早合点してしまいまして。
蓋を開けたら普通のホラーでした。
郊外の別荘にやってきた一家を動物マスクの集団が襲う。唯一のご近所は一足先に血祭り。
ん? なんだこの激しいデジャヴ。
「サプライズ」と状況丸被りではないか。
ただし、犯人側の掘り下げが浅いから「サプライズ」のような“ひねった”感は皆無。

さらに、被害者一家が、再婚親父と新妻と新しい母親に全くなつかないガキという「もういい加減にしろよ」な手垢まみれ設定。
このガキが可愛くない上に何の役にも立たないので、まあ別に全員殺されてもいいか、な気持ちになってきます。

どうせ新妻がキレて大暴れ、な展開なんだろうと思っていたらその通りで…。
狂った疑似家族ものをやりたいのなら、せめて「アメリカン・ゴシック」くらいのレベルには達してもらわないと…。
