敵に対し手ぬるい攻撃を加えた(トドメを刺さなかった)が為に窮地に陥る主人公を見るたびに
『あ、お前もう死んでいいや』
という気になります。銃口を向けておきながら引き金を引かない奴とか、相手がちょっと気絶しただけで攻撃を止めてしまう奴とかに主人公の資格はありません。
本作、脚本ははっきり言って穴だらけですが、躊躇無く全力で殺りに行くヒロイン観るだけでお釣が来ます。
「サプライズ」
(2011年/アダム・ウィンガード監督)
どこぞの郊外の別荘。両親の結婚35周年を祝うため、子供たちが各々のパートナーを連れ立って集合。総勢10名。
久しぶりの一家団欒。心温まる罵詈雑言が飛び交い始めた時、窓ガラスを突き破ってボーガンの矢が。
最初の一撃を額に喰らって絶命する哀れな映画監督(長女の彼氏)はタイ・ウェスト。
これを皮切りに雨あられと撃ち込まれるボーガン。
電波妨害で通信途絶。家の外にはトラップ。唯一の“お隣さん”は一足先に血祭り。
襲撃者は人数不明、目的不明。
襲撃者の唯一の誤算は、集まった家族の中にサバイバル・キャンプ出身の女ランボーが混じっていた事。
手近にあるものを武器に変え、次々にトラップを仕掛け、接近戦になったら一切の躊躇無く急所に得物を叩き込む。
マウント取ったら人相不明になるまで頭部顔面滅多打ち。
襲撃者は全員アニマル・マスクを被っていますが、彼女こそ真のビースト。
犯行の動機・目的・真犯人などお話のオチの部分は誉められた出来ではありませんが、泣かずわめかず冷静に死体の山を築くヒロインのおかげで94分飽きずに楽しむ事ができました。