デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

そう来たか…。 レザボア・ヴァンパイア

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「やあ、僕はヴィック」

「(全員で)ハイ! ヴィック!」

「僕は…ヴァンパイアなんだ」

(拍手)

 

アルコール依存症の治療グループなどでお約束の挨拶シーンです。違うのは病気がアルコール依存ではなく、吸血依存である事。

 

「レザボア・ヴァンパイア」(2003年/マイケル・ケラー監督)

 

ヴィック(ポール・ポポウィッチ)はヴァンパイア。素性を隠して彼女と付き合い、とうとうカーセックスにまでこぎつけたのに、スイッチが入って喰っちまった…。

 

何とか“人並み”な人生を送るために治療協会へ。


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綿密な適合検査とアンケートの結果、ヴィックに合った代替血液は“”と判明。

 
人口24374人、羊719頭のノースカロライナ州のロック・クリークでリハビリを開始したのですが…。

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吸血鬼というと暗く湿っぽいものになるか、イケメン集めてお洒落に決めるかだと思っていたのですが、これは想定外の飛び道具。
 

到着早々、牧場の娘に一目惚れ。羊を襲い、成り行きと勢いで人も襲い…。恋と羊と殺人と。

 

コメディ・タッチで軽く流していますが、羊の死骸と人間の死体と車が埋められている沼地はベイツ・モーテルを遥かに凌ぐ凄惨さ


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やがて、急激な羊の減少に目をつけた女スレイヤーがロック・クリークに。

 

どれだけ血を吸うと相手が死んで、どこで止めるとヴァンパイアになるのか、の線引きと言った細かいルールがウルトラ適当なのが残念でしたが、中毒治療に妙な親近感を持っているので、結構楽しめました。

 

原題は「VAMPIRES ANONYMOUS」。これが何で“レザボア”なのかと言うと…

 

マイケル・マドセンが出ているから。

 

それだけです。

 

しかし、数多あるヴァンパイア物の中に「名無しの吸血鬼」なんてタイトルがあっても目立ちません。使えるものは何でも使って「なんて酷い邦題なんだ(苦笑)」でもいいから印象に残るようにしないと。

 

その意味でショウゲートは良い仕事をしたと思います。



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