『何か僕たちに出来る事ある?』
(Ain’t There Anything We Can Do For Him?)
『あるとも…男になるんだ!』
(Yes,There Is. You Can Be MEN!)
アメリカで“男”になる事、それは銃を持って立ち上がる事。
「11人のカウボーイ」
(1972年/マーク・ライデル監督)
千頭を超える牛の群れを400マイル離れた町まで移送するキャトル・ドライブ(詩情溢れるジョン・ウィリアムズの音楽が勇壮後押し)。
しかし、近くのルビー川で砂金が出たと聞いた男たちは一攫千金を夢見て狂奔。低賃金重労働の牛追いは見向きもされず。
途方に暮れた牧場主ウィル・アンダーソン(ジョン・ウェイン)は悩んだ末に少年達を雇うことに。
志願したのは11人。最年長でも15歳。牛追いの経験は勿論皆無。ウィルと少年11人、そして黒人シェフ、ナイトリンガー(ロスコー・リー・ブラウン)を加えた13人の過酷な旅が始まった…。
牧歌的な立ち上がりに、ああ、子供達がジョン・ウェインの指導の下、逞しい西部の男に育つ話なんだろうと思っていましたが、間もなく怪しい雲行きに。
刑務所帰りのワッツ(ブルース・ダーン)率いる集団が彼らの後を着かず離れず。そして悲劇が。
過去に二人の息子を(恐らく同時に)亡くしているウィルと半人前以下の子供達。継承される西部の男の魂。
目的地にたどり着いた子供達の精悍な顔つき。
テイストは全く違いますが、岡本喜八監督の「血と砂」を思い出してしまいました。