
“There's a bar over there. Let's get a drink.”
何を考えるにもまずはバーで飲んでから。
正に“コンクリート・ウェスタン”。
「マックQ」(1974年/ジョン・スタージェス監督)
あからさまに「ブリット」「ダーティハリー」を意識したジョン・ウェインの現代刑事モノ。
同僚が射殺され、暴走機関車の如く捜査を開始したものの、その同僚が実は…、さらに陰で糸引いていたのが実は…という恐らく当時としてもあまり新鮮味のないストーリー…はまあ置いておいて(笑)。
見どころの第一はジョン・ウェイン演じるロン・マックQ警部補のキャラ。
ハリー・キャラハンは、最後に警察バッジを投げ捨てますが、マックは捜査に待ったが掛かった段階で「やってられっか!」とバッジを返上(早!)。
何と私立探偵となって捜査再開。
容疑も根拠もないのに「あいつが殺ったに決まっている!」という思い込みだけで相手をボコボコにした事が問題視されているのに完全に逆切れ(流石ジョン・ウェイン)。
見どころの二つ目は私立探偵となったマックの得物。
なんとイングラム(MAC10。勿論サプレッサー付)です。
開発者ゴードン・イングラムと製作会社Military Armament Corporation(MAC社)の名前に由来するサブマシンガン。
「ニューヨーク1997」に先んじる事7年。向こうは近未来SFですがこちらは70年代。
こいつが火を噴くのがクライマックスの波打ち際カーチェイス。
相手の車が一瞬で蜂の巣。景気よく横転。シュワのミニガン並みの反則技。

余談ですが、マックが望遠レンズで隠し撮りをするシーンのカメラの持ち方が変。
普通は左手でレンズを持って全体を支え、右手をシャッターに添える感じになりますが(ボディにグリップが付いていないこの時代なら尚更)、マックはボディを両側から持っています。

ピントを右手で合わせているのも変(移動被写体を追いながらシャッターが切れない)
普通のカメラならこれでOKですが、望遠だとレンズが上下にブレてボッケボケの写真になってしまいます。
「ああ、この人、望遠レンズいじった事ないんだなぁ」と思いながら観ていました。