『おとさん!ママにこれ作ってってお手紙して!』
いやぁ、それは反則だろ…。日本中の(いや、ネット配信されているだろうから世界中の)父子家庭お父さんの心臓が一瞬止まったんじゃないでしょうか。
「甘々と稲妻/第1話・制服とどなべごはん」
高校の数学教師、犬塚公平は半年前に妻・多恵を亡くして一人娘つむぎと二人暮らし。
まめまめしく娘の面倒を見ていますが、料理は苦手のようで保育園に持たせる弁当は冷食詰め合わせ、晩御飯はコンビニ弁当かほか弁(頑張ってファミレス)。
それでも文句ひとつ言わず食べ続けるつむぎが健気(ここで既に泣ける)。
二人は近所にお花見に行った折、一人で泣きながら弁当を食べている怪しい女子と遭遇。
『違うんです。美味しいから泣いてるんです。一人ぼっちで寂しいとかじゃなくて』
『そんなに美味しい?』
『美味しいです! 凄く美味しいです!』
聞けば女子の母親は“ごはんやさん 恵”なるお店を経営しているとの事。そして冒頭の台詞。立ち眩む程のショックを受けた浩平はつむぎを背負って一路、恵へ。
『お願いします! 娘に…娘に美味しいご飯を食べさせてやりたくて…』
しかし、恵は主不在。代わりにいたのはあの時の女子(女子の正体は公平が副担任をしているクラスの生徒・飯田小鳥)。
『あります!!美味しいご飯、あります!! わ…私だって、お米くらいは炊けます!』
取り出したのは土鍋。おいおい大丈夫か、な手つきで米を研ぎ、炊き、蒸らし…。
『お米が…炊けましたよぉぉー!!』
見事に立ち上がった米粒。湯気が、艶が、照りが…。白米だけなのに。この満たされた感は何だ。
『ご飯、おとさんと一緒に食べるの久々ねー』
ああそうだ、大事なのは“何を”じゃなく“誰と”だ。食の王道テーゼがここにも。
そして、小鳥の口から出た驚愕の提案。
『私と、ご飯を食べませんか!? 私とご飯をつくって食べませんか?』
な、何を言っているんだお前は? と混乱したところでTo Be Continued。
余談ですが、ここに「ふらいんぐうぃっち」真琴の作った二十日大根の漬物があれば極楽浄土でしたね。