
『ダンスは数学的よ。数を数えられれば踊れるわ』
Dancing is mathematical.
If you can count,you can dance.
色々含蓄のありそうな台詞はありましたが、印象に残ったのはこれだけでした。
「オートマタ」
(2014年/ガベ・イバニェス監督)
2044年。太陽風が吹きまくって地球荒廃。砂漠拡大。人工雲から酸性雨。毎度お馴染みブレードランナーな近未来。

危険な仕事はオートマタ。AI搭載人型ロボ。破っちゃいけないルールがふたつ。
人を傷つけるな。自己改造するな。
アシモフから連なるロボット・プロトコル。このお約束が破られた。オートマタに智慧を授けた技術者は誰だ。
オートマタメーカーROC社専属保険会社調査員ジャック・ヴォーガン(アントニオ・バンデラス)はデュプレ博士(メラニー・グリフィス)を訪ねますが…。
まさかここで元妻元夫再会とは。メラニー、一時やたらと劣化していたような気がいたしますが、本作ではなかなかいい感じの熟女になっておりました。

目先を変える努力はしているのですが、結局は過去のトレス、デジャヴ、リフレイン。
『たかが機械? ならお前らは猿風情ではないか』
Just a machine?
That's like saying that you are just an ape.
なんて“ちょっといい事言ってる”台詞も、この既視感の前では何ほどのものでも…。
絶望的寂寞感に満たされながら、妙にお花畑なエンディングもちょっと。
いやはや、デストピアは難しい。
余談ですが、伊豆高原に「オートマタ美術館」なる施設がありまして。なかなかに味わい深い所です。