デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

思い出すなあ、伊豆高原。 オートマタ

イメージ 1

 

『ダンスは数学的よ。数を数えられれば踊れるわ』

 Dancing is mathematical.
If you can count,you can dance.


色々含蓄のありそうな台詞はありましたが、印象に残ったのはこれだけでした。

 

「オートマタ」
2014年/ガベ・イバニェス監督)

 

2044年。太陽風が吹きまくって地球荒廃。砂漠拡大。人工雲から酸性雨。毎度お馴染みブレードランナーな近未来。

 

イメージ 2
期待と喝采heros!)が罵声(losers!)に。手のひら返しは庶民の証。
 

危険な仕事はオートマタ。AI搭載人型ロボ。破っちゃいけないルールがふたつ。

人を傷つけるな。自己改造するな。

アシモフから連なるロボット・プロトコル。このお約束が破られた。オートマタに智慧を授けた技術者は誰だ。

オートマタメーカーROC社専属保険会社調査員ジャック・ヴォーガン(アントニオ・バンデラス)はデュプレ博士(メラニー・グリフィス)を訪ねますが…。

まさかここで元妻元夫再会とは。メラニー、一時やたらと劣化していたような気がいたしますが、本作ではなかなかいい感じの熟女になっておりました。

 

イメージ 3
豪快に使い捨てられるゲスト女優。
 

目先を変える努力はしているのですが、結局は過去のトレス、デジャヴ、リフレイン。

 

『たかが機械? ならお前らは猿風情ではないか』

 Just a machine?  
That's like saying that you are just an ape.

 

なんて“ちょっといい事言ってる”台詞も、この既視感の前では何ほどのものでも…。

絶望的寂寞感に満たされながら、妙にお花畑なエンディングもちょっと。

いやはや、デストピアは難しい。

余談ですが、伊豆高原「オートマタ美術館」なる施設がありまして。なかなかに味わい深い所です。

 

 

 
イメージ 7←ランキング投票です。よろしければワンポチを