『ところで私、ただの00ナンバーじゃないの。
今は私が007よ。永久欠番だとでも思ってた?』
By the way, I’m not just any old double-0.
I’m 007.You probably thought they’d retire it.
嗚呼、とうとう007にもポリコレの洗礼が。
新しい007はタフでマッチョな黒人女性でした。
いや勿論、彼女がジェームズ・ボンドを名乗る訳ではないですし、次回作の主役になるわけでも(多分)ないのですが、こういう事を求めている訳でもないんだよなぁ…。
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2020年/キャリー・ジョージ・フクナガ監督)
ダニエル・クレイグによる殺伐ボンド最終章。
最期と呼ぶに相応しい締めになるのですが、この引きはダニエル本人が望んだんでしょうか。
「太陽にほえろ」では殉職シーンの脚本がブランクになっていて死に方は役者が決める(少なくとも希望は汲む)なんて話を聞いたことがありますが…。
緞帳降ろすなら降ろすでもうちっと巧いやり方があったのではないかと(石原プロ並みの殉職下手。勿体ないにも程がある)。
シリーズ最長の164分。腐っても007なので飽きる事はないですが、やはり長い。長いわりにストーリーの整理がまるで出来ていない。とっ散らかったままクライマックス。
本家シリーズ初のアメリカ人監督。WIKIによれば、父が日系アメリカ人で母方の祖父がスウェーデン系、同じく祖母がドイツ&イギリス系。フランスや日本で暮らしたこともあるというひとりインターナショナル。
そこかしこに日本文化っぽいもの(能面、畳、枯山水)が使われているのですが、出来ればこういうのやめてほしいなぁ(ボンドに土下座とかさせるなよ…)。
全体的に「女王陛下の007」「007は二度死ぬ」への目配せが(特に女王陛下)。
極めつけがエンディングソング。ルイ・アームストロングの「愛はすべてを越えて(We have all the time in the world)」。
分かるし嬉しいし「おお!」とも思いましたが、なんでしょう、この索漠感と拒絶感。
本作の見どころはただひとつ。ボンドをキューバで支援する新人CIAエージェント、パロマ(アナ・デ・アルマス)。
どことなくベッキーに似ているような…
コケティッシュでドジっ子。でも腕はいい。思い切りの良い前蹴りとか飛び蹴りとか最高でした。
是非、彼女には続投…いやスピンオフで一本立ちしてほしいと思います(ひとりチャーリーズ・エンジェルでもいい)。
さて、これでクレイグボンドは店じまい。次のボンド役は誰になるんでしょう。というかどういう形の仕切り直しになるんでしょう。
その部分は楽しみです。
おまけ
国内版DVDジャケなのですが、「時は来た」というキャッチに橋本真也とメタ子(「まちカドまぞく」の魔法少女・千代田桃のナビゲーターの猫。「時は来た」しか喋らない)を思い出して吹き出してしまいました。
キャッチ・コピーは慎重に。
★ご参考
★折角なので殺伐ボンドのreviewを並べておきましょう。
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★本日5月24日はコンコルド定期運行開始の日(記念日ではない)。
1976年のこの日、超音速旅客機「コンコルド」がロンドン - ワシントンD.C.間で定期運行を開始しました。
コンコルドと言えば…