2038年、山梨。人里離れた山中の研究施設で独りAIの研究に没頭するジョージ(テオ・ジェームズ)。
実際ロケしているのはハンガリー(研究施設の脇を流れる瀑布はノルウェー)です。
なら、ハンガリーでもいいじゃん…駄目です。北欧東欧では溢れかえる日本愛が表現できません。
「アーカイヴ」(2020年/ギャヴィン・ロザリー監督)
ジョージは3年の契約期間の2年半を過ぎてもこれと言った成果を上げていない事を本国の女性管理職になじられていますが、ジョージの目的は会社とは別の所にありました。
それは事故死した妻ジュールスを完全体として復元させる事。
死んだ人間の記憶と魂を一定期間内保存し、電話を通じてコミュニケーションが出来るサービス「アーカイヴ」。
ここに収められたジュールスの記憶データをぶっこ抜いて(←犯罪行為)、自らが設計したAIボディに移植する…つまりゴーストをコピーして義体に乗せ換えようという攻殻機動な試み。
作業の工程がもう…(そんなに好きなのか攻殻!)
左:攻殻 右:アーカイヴ
駄目押し👇。
飲食施設はこれだし…(そんなに好きなのかイノセンス!)
廃棄された山梨の施設という設定は、「かつては現地日本人も働いていたんだから漢字や日本語アナウンスがあって当然」という言い訳に(君、エヴァも好きだろ)。
この施設に3体のロボット(いずれも妻の器のプロトタイプ)と孤独で静謐な研究暮らし。
「ソラリス」であり「サイレント・ランニング」であり。より妻に近づいていく最新機種への嫉妬から壊れていく試作2号機とか「2001年」な隠し味も。
オチは「うん、そうだよね。知ってたさ」
正直、新しいものは何もない低予算SFではありますが、魅せ方の巧さと迸る日本愛で全部許せてしまいます。
★ご参考
★本日3月2日はダニエル・クレイグ(1968~)の誕生日(おめでとうございます!)。
すっかり007が板についてしまいましたが、案外この人の持ち味はちょっとすっとぼけたこんなキャラの方が…