今期たっぷり楽しませて頂きましたが、まさか最後の最後に景気よく原作改竄されるとは。
ちょっと、いやかなりがっかり。
「疑似ハーレム/第12話・物語の始まり」(2024年9月19日深夜TOKYO MX放送/菊池聡延演出)
演劇部OB岩田嗣人(愛称つーちゃん)が作ることになった公募ショートムービー。
テーマは「恋に落ちるショートストーリー」。
ネタ元は凛と瑛二の恋物語。演じるのは勿論凛と瑛二。出会ったあの日からをトレスして。
嬉し恥ずかし青春プレイバックでしたが、WEBで公開されたら「主演の女の子が可愛い」とまさかの大バズリ。
更に公募元を通じて芸能プロダクションから凛に面会依頼が。
夢だと思っていた役者への道が俄かに…。
叶うかもとなったら、先立つものは歓びより不安。何より先輩との時間が奪われてしまう。もうすぐ同じ大学に行くことになっているのに。
自然と足が向いたのは放課後の学校。大道具小道具全てに先輩との思い出が。
『ねえ、どうしてどっちかだけじゃなきゃダメなの…?』
『タイムトラベル、満喫しているみたいだな』
振り向けば先輩。
『さあ、未来へ行こうぜ!』
瑛二の提案はずっと一緒にいられるように、自分が凛を追いかける。裏方で出世して凛と同じ現場で働けるようになる。
『大丈夫、必ず追いついてやる』
だから、夢は諦めずに役者の道を進め。俺の望みは凛に追いついた時に言うから。
ここまでは原作通り。問題はその後。
原作では、固く将来を誓った次のページで凛の大学入学式(即落ち2コマ)。
『なにもう追いついちゃいました?』
芸能事務所に所属したからと言って、いきなりブレイクするわけもなく。
雑誌の写真撮影とかドラマのオーディションとかやってはいますが…。
『…もしかしてあんまり忙しくない…?』
『今のところ…』
『俺らの決意と再会の約束とは…』
ならば取りあえずキャンパスライフを楽もう。単位は全然足りてないけど。
『凛…必ず追いついてやるからな』
『いや~~かっこ悪~~~いっ』
実に情けなくも等身大なオチです(高感度うなぎ上り)。
ではアニメの方はどうだったか?
瑛二は裏方としてメキメキ頭角を現して、テレビ局の入社が決定。
凛も女優として知名度が上がって有名人。再会・告白・結婚。ハッピー!
ちょっと待て、何だその安っぽいにも程がある後日談。
てっきり夢オチか楽屋落ち(「蒲田行進曲」か1980年のフランソワ・トリュフォー監督作「終電車」のエンディングの模倣)かと思ったのに、マジなんかい!?
何かもうがっくりぐったりばったりぽっくりな締めくくりでございました。
高校のベランダで将来誓ってキスしたところで再生止める事をお勧めします。
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★本日9月21日はスティーヴン・キング(1947~)の誕生日(おめでとうございます!)。
キングファンが集まっても話が合わないくらい作品に幅のあるお方ですが、映画化されたものからいくつかピックアップ。