中国の田舎道をまったり走る1台のトラック。乗っているのはチアンポン(ロン・フェイ)。牽引しているのはフードを被せた檻。中に納まっているのはアフリカで捕獲してきた人喰いクロコダイル。
ビデオ発売元であるアルバトロス・フィルムのサイトには「ギュスターヴと呼ばれるクロコダイル科の中でも大きく凶暴なナイルワニ」と解説されていますが、おいおいおい、それってこいつ👇の事だよな。
何とまぁどえりゃーもんを…。捕獲の依頼主は中国財界の大物チャー。このクロコダイルを新しい街と自身の権威の象徴にするつもりらしい。
その新しい街づくりのための土地買い占め(貧乏人が暮らす中華街接収と住民排除)に反対している地元民が道を塞いで押し問答…を繰り広げていたらいきなり津波。
飲まれて流され中華街。クロコダイルは自由の身。
というディザスター&動物パニックの併せ技。チアンポンは地元民(チアンポンもここの出身者)と共に半水没した中華街のスーパーに避難しますが…。
「シン・クロコダイル」(2021年/ヂョウ・ジウチン監督)
お話は「パニックマーケット」と「シャーク・ショック」を足して鮫を鰐に置き換えて、思いつくパニック映画の断片をこれでもかと継ぎ接ぎした「新しいものなぞどこにもない」低予算パッチワークなのですが、始まると同時に津波という「前置き無し」な展開は良い感じ。
因みに原題は「狂鰐海嘯」。海嘯は津波。英題は「CRAZY TSUNAMI」もしくは「CROC TSUNAMI」(大体あってますね)。
にしても中国は好きですねえ、クロコダイル。
「ザ・クロコダイル~人喰いワニ襲来~」(2012年)、「メガ・クロコダイル」(2019年)に続く3本目(いや絶対他にも沢山作っている)。
政治的策謀(有力者チャーの「この際、都心部守る名目で中華街に放水して完全水没させて邪魔者はクロコダイルに喰って貰おう」)に説得力が無く、クロコダイルが迫力不足で地元民サバイバルがコント、ついでにワニも悪人も最後どうなったのかよく分からないという難点はありますが(致命傷って言うな)、全編いいとこ取りなだけあって、そこそこ観られるものになっていたのではないかと思います。
オリジナルポスターがこちら。「絵に描いた誇大広告」です。
★たぁくさんある元ネタをひとつふたつ。
★中国でクロコダイルと言えば…
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