とある調査船が難破&大破。
乗員が流れ着いた島は無人島。確かに人はいませんでしたが、代わりに嫌ぁな生き物が闊歩しておりました。
「メガ・クロコダイル《巨鰐》」(2019年/フー・グイ監督)
2012年の「ザ・クロコダイル《百萬巨鰐》」に続く、中国産CGクロコダイルもの。
調査船が消息を絶った海域にある唯一の島、地獄島は『人喰いワニが3000匹いて、半分以上の土地が瘴気に包まれ呼吸もできない』文字通りの地獄。
行方不明者の身内に雇われた冒険家の救出譚という「ジュラシック・パークⅢ」「ランボー4」でお馴染みの展開なのですが、もう兎に角脚本が超テキトー。
地獄島の周囲は暗礁だから船では行けない。無人島だから滑走路もない。
どうするのかと思ったら、複葉セスナで近くまで行って、海にダイブ。パラシュート無し。紐無しバンジー。
せめて海面近くを飛んでやれよ。高度すげーじゃん。死なないまでも骨折はするぞ。
そこから島までどんだけ距離があるのか知らんが泳ぐのか。
で、プールでひと泳ぎしたくらいの爽やかさでクルー全員(冒険家、依頼者、依頼者の太鼓持ち、傭兵3名の計6名)無傷で上陸。
上陸したら早速、武器出して武装して、ドローン飛ばして…ってちょっと待て。
お前らセスナから飛び降りるとき全員手ぶらでバッグもリュックも持ってなかっただろ。
その備品どこから出て来た?
冒険家は自動小銃渡されても「慣れた武器がいい」とか言って受け取りませんが、お前の慣れた武器ってただのボーガンだろ。
相手は3000匹のイリエワニとイリエワニがトカゲに見える怪獣サイズのクロコダイルだぞ。歯が立つ訳ないじゃない(そして実際、屁の役にも立たない)。
せめて先端に手榴弾括りつけるとか「ランボー2」レベルの工夫はしろよ。
遺留品から調査船乗員が島の奥に向かっていることが分かりますが、
『向こうは瘴気地帯だ、通るには防毒マスクがいる』
と冒険家が行っている側からアメリカ人の傭兵が、
『洞窟を見つけた』
おい、冒険家、お前何度もこの島に上陸してたんじゃなかったのか。洞窟の存在くらい確認しとけよ。
とまあワニ登場以前の序盤で突っ込み満開。
この後もすっとこどっこいな展開が続くのですが、特に大笑いだったのが、島の深層部(瘴気はどうした?)で発見した謎の研究施設。
入り口脇に手のひらの形をしたスイッチのようなもの。
どう考えても指紋認証とか静脈認証とかの照合スキャナーだと思うのですが、ここを冒険家がぐっと押したら、扉がすっと、
開くのかよ!?
何それ、ただの押しボタンだったの?手のデザインは「押せ」って印?
セキュリティ、ザルだな、この施設。
と、まあ最早ワニなんかどーでもいいやな気分になりますが、見どころはあります。
それはワニ以外の生き物。
「リトルショップ・オブ・ホラー」ですか?な巨大ラフレシア。
ラフレシアじゃなくてムスシプラ(ハエトリソウ)だと思います。
洞窟の天井を覆い尽くす吸血ヒル。
ヒルって元々「吸血」じゃありませんでしたっけ?
人間の声を真似るゾウムシなどなど。
地獄島に相応しい生き物たちです。
多々良島観光ツアーくらいの気持ちで観れば、楽しめるのではないかと思います。
一応主役のクロコダイルくんの雄姿も。
★先輩クロコダイル
★クロコダイルと言えばこんなのも…
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★本日のTV放送【20:00~BS松竹東急/よる8銀座シネマ】
追悼:崔洋一
崔洋一監督がお亡くなりになりました。
11月27日午前1時。膀胱癌。73歳。
正直、あまり相性の良い監督さんではなかった(特に「花のあすか組」「カムイ外伝」)のですが、いい感じにツボに嵌った作品も。
例えばこんな。
ご冥福をお祈りいたします。