ブラスターズのご機嫌な名曲「ダーク・ナイト」に乗って軽快にスタート。クライム・サスペンスかと思わせて後半、口あんぐりなサバイバル・ホラーに大変身。
一粒で二度美味しいなんちゃってグラインド・ハウス映画。
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」
(1996年/ロバート・ロドリゲス監督)
凶悪犯罪者ゲッコー兄弟(ジョージ・クルーニー&クエンティン・タランティーノ)が人質とって逃避行。
メキシコ国境を突破して、現地の「逃がし屋」と待ち合わせ。
場所は深夜営業BAR「ティティ・ツイスター」(名訳:おっぱいぐるぐる)。
しかし、そのBARは、吸血鬼の巣窟なのであった!
ありえない展開です(笑)。
前半のクライム・アクションが一転。ゲッコー兄弟と人質の牧師親子、偶然居合わせた客が呉越同舟でBARに篭城、吸血鬼軍団と一大攻防戦。
タランティーノ(脚本)&ロドリゲス(監督)が正にやりたい放題し放題。
ほとんどの人が、地獄のサンタ・ニコ(サルマ・ハエック!)が、吸血鬼に変身した所で「ななな、何ですとぉ!」とのけぞったのではないでしょうか。
で、今回よく見たら、後半の展開の予告が前半にあることに気づきました。
牧師(ハーヴェイ・カイテル!)の息子の着ているTシャツに「PRECINCT 13」の文字が。
そう、数人の警官と偶然護送された犯罪者が移転直前で無人となった13分署に篭城し、呉越同舟で多数のストリート・ギャングを迎え撃つ、というジョン・カーペンターの傑作バイオレンス「要塞警察」の原題「ASSAULT ON PRECINCT 13」の「PRECINCT 13」です。
芸が細かいなロドリゲス。
駄目な人は全く駄目だと思いますが、嵌れる人には最高の1本。
可憐なジュリエット・ルイス、股間にピストル仕込んだトム・サビーニもナイスですが、なんと言っても「国境警備員」「BARの客引き」「逃がし屋カルロス」の3役をノリノリで演じたチーチ・マリンが最高です。
但し、続編は要注意。特に「2」はグダグタ(「3」は結構好きですが)。
見るんだったらタラ製作の「フェティッシュ」。
笑える1シーンがあります。時間軸的にはこっちが正当な続編かも(いや、んなこたぁないか)。